在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”バルバレスコ・リゼルヴァ・アズィーリ 2000” ブルーノ・ジャコーザ

2007-10-12 23:00:22 | Piemonte ピエモンテ
"Barbaresco Riserva Asili 2000" Bruno Giacosa -Piemonte
伝統的ワインとはどんなワインであるか、というより、伝統とは何であるか、を教えてくれるワイナリーの一つだと思う。
品種は、当然ネッビオーロ100%。
30ヶ月の大樽熟成。
色は、やや濃い目のガーネット色だが、だいぶ明るめ。
香りに広がり、奥行きがある。エレガント、デリケートな中にしっかりした強さを持ち、かなり魅力的な香り。森の木の実、ややドライのスミレ、ミネラル臭、燻製の香りaffumicato、タバコ、肉の臭い(アニマルというのともやや違う?)などにミント、白コショウでスパイスを効かせた感じ。複雑に交錯する。
味にも広がりがあり、ボディがある上にエレガントさも兼ね備える。タンニンの質が大変良い。ミネラルから来るのか、鉄分を含んだ感じferroso。味の持続性が良く、かなり長く、きれいに続く。
香りも味も変化が大きく、しばらくたったら、のり、海草、梅を感じさせる後味が出てきた。
10年、20年後に飲みたい。

”ピノ・ノワール 2006” ラ・クロッタ・ディ・ヴェニェロン

2007-10-12 22:04:29 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Pinot Noir 2006” La Crotta di Vegneron –Valle d’Aosta
フランス語併記の州なので、ピノ・ネーロではなく、ピノ・ノワールとなる。
イタリアで非常に良いピノ・ネーロは残念ながら少ない。ヴァッレ・ダオスタでもまあまあ見られるが、全体にとうしても単調な味わいである。奥深い味わいのあるものは、期待できない。それでも、よく健闘していると思う。
色は薄めで、ピノ・ネーロらしい色。つやのある明るくきれいなルビー色である。
香りは、揮発酸volatileが上がるせいか、梅、シソの香りも感じるが(おにぎりが食べたくなる)、他、レッドベリーなどの小さな森の木の実、そして、米ぬか風の香りに、奥にはガソリンっぽい香りもあった。と言うと、これはいただけないと思うかもしれないが、決してそんなことはない。
味は、優しい。シンプルで、全体にこじんまりしている。タンニンはやや渋い感じがあり、味の持続性は決して長くないが、最後は適度に心地良い。