在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ネレッロ・マスカレーゼ 2000” ベナンティ

2008-01-03 19:07:36 | Sicilia シチリア
“Nerello Mascalese 2000” Benanti -Sicilia
今では、すっかりシチリアを代表するワイナリーになってしまったベナンティ。
ラベルには、エトナ山の風景を描いたもの、バッカスらしき太った子供がどーんと樽の上に座った、なんとなく微笑ましいものなどがあるが、この単一品種monovitignoシリーズは、ぐっと地味なラベル。
ワイナリーの畑は、パンテッレリア島、チェリートマトで有名なシラクーサ近辺のパキーノpachinoにもあるが、エトナ周辺が生産の主力。エトナ山は、今でも時々お騒がせしている活火山だから、これぞ火山性土質、気候という代表である。また、ネレッロ・マスカレーゼはエトナ周辺でその特徴を最大限に発揮する。
シチリアは、夏は当然暑いが、夜になると、気温がぐっと下がる。標高が高ければ、その差、30℃にもなることがあるというのだから、結構すごい。エトナ山の畑は、高いところで1000mにもなり、標高の高さ、土質からフィロキセラの被害がなかった場所でもあり、ベナンティに限らず、エトナ周辺のワイリーは今後も注目されると思う。

品種は、名前の通り、ネレッロ・マスカレーゼ100%。
色は、ルビー色からガーネットに変わるところという感じ。全体にやや透明感があり、きれいな優しい色。
香りは、やや臭みがある。ダイオウrabarbaro、ヨード、黒鉛grafiti。そして、森の木の実のコンフィが混じる。他、コショウ、革、リコリース、バルサム臭、土など。繊細さを持つが、複雑性もまずまず。
味は、かなり塩辛い。もちろん、きれいな酸もあるが、ミネラルたっぷりなのが感じられる。タンニンが一瞬隠れるくらいだが、そのあとは、しっかりしたタンニンの渋みも出てくる。最後にほろ苦さがきれいに出る。