在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Gravner Bianco 1991 Gravner グラブネル ビアンコ 1991

2017-12-10 09:17:06 | Friuli フリウリ
Gravner Bianco 1991 Gravner



先日ワイン会をしたお宅のカンティーナに眠っていた1本を開けさせていただいた。

心から感謝。

義理のお父様所有のカンティーナとのことで、地下に結構な数が静かに眠っていた。
90年代のものが多いが、中には80年代もかなり、もっと古い60年代のものもあった。

どれか開けましょう、との光栄なお言葉。

ワイン好きにとって、美味しい(だろう)と思うワインを開けられること以上の喜びはない。

そして、その美味しい(だろう)と思うワインは決して高級ワイン、超有名ワインとは限らない。

もちろん、ドンペリの古いのを開けましょう、と言っていただけると大変嬉しく(先日、ある方のお宅で、大変ごちそうさまでした)、サッシカイアの80年代は、さすがにもう持っている方は少なくなり、こういった貴重ワインも心から嬉しいのだが、それだけとは限らない。

面白いワイン。
これがまた興味をそそる。

グラヴネルの古いラベルを見つけた。
見ると1991年、私が最も面白いだろうと思ったのがこれ。

光栄にも、開けましょう。
いいんですか???

もうラベルがすっかり変わってしまっているので、このシンプルなのが懐かしかったのだが、そう、この時代はまだ「テーブルワイン」。(笑)

品種はいくつかをブレンドし、アンフォラ(素焼きの壺)ではない。



色は、輝くような黄金色。艶がとても綺麗で、見事。
25年以上経っているのに、全く衰えが見えない、というか、25年以上経って、ますます輝きが増している、という感じ。

香りは当然複雑で、なんでも入っている。
ドライフルーツが強いのは当然だが、はちみつ、カラメル、ミルク、カカオ、そして柔らかいミネラルなどなど、ゆっくり、あくびをしながら出てくる感じ。
味も見事。すっと入った方と思うと、すぐにふわっと広がり、このくらい経ったワインに良くあるツンとした酸味はなく、口の中にワインがまとわりつく。至福。
余韻は当然長く、その後、食事を続け、デザートも食べ、実は、帰り道、ふっと香りが上がってきた。
もう軽く1時間は経っているのに。

お見事でした。

そして、感謝。
ここまでとっておいていただいた方に、開けさせていただいた方に、そして、ワインを造ったヨスコ・グラヴネル氏に。

やっぱりワイン好きはやめられない。。。
(これをただの呑兵衛とも言う)