在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Sammarco 2003 Castello dei Rampolla

2017-12-26 19:02:31 | Toscana トスカーナ
Sammarco 2003 Castello dei Rampolla



せっかくのクリスマスなので、ワインクーラーを見回し、開けてみる気になった1本。

2003年ヴィンテージだし、ダメになっているとは思わなかったが、もうとっくに開けても良い1本なので、この機会に開栓。

ランポッラは、キャンティの地域の中でも最も良いワインを造っているとも言えるパンツァーノにある。
そして、パンツァーノでも最も良い地域、コンカ・ドーロ(黄金の盆地)と呼ばれるところに畑がある。

20年以上前からビオ、いや、ビオディナミでブドウを栽培している。
しかし、ビオの認証は未だに取っていない。

昨今のビオワインブーム。
認証マークが付いているだけで、おー、ビオ!というワインとは一線を画す。
付いていなくても正真正銘というか、それ以上のビオワイン。

さて、キャンティ・クラシコの地域にあるので、キャンティ・クラシコのワインも造っている。
しかし、雄鶏マークは付いていない。
キャンティ・クラシコ協会に加盟していないからである。


最初から全部飲み干せるとは思わなかった。
でも、ワインを残すことのススメ、ではないが、どういう風に変化していくかにも興味があったので、開ける。

最初は還元臭が強くて、グラスをよく回さないと、なかなか本来の香りが出てこない感じだった。
ブドウが凝縮されているので、色は濃く、縁に全く衰えの色が見えず、全体に、まだとてもきれいなガーネット色を保っている。
かなりふくよかなフルーツの香り。ブラックチェリーのコンフィ。スパイス、革、アニマル臭、腐葉土。。。。香りの長さが半端ではない。
これは、翌日も同じだった。だんだん、チョコ風の香りが出そうな気配。香りの持続性が衰えることはなく、とにかく長い。
アタックに果肉を感じるくらい、トロッとしている。(ワインがデザートワインのようにどろっとしていると言う意味ではない。念のため)
酸味があるが、ツンとした感じはなく、柔らかくなっているタンニンとのバランスがとても良い。布に例えると、厚みのあるビロード。
コンフィ、腐葉土、スパイスなどが、きれいに広がる。+++++(+)

品種は、今はカベルネとメルローだけなのか、記憶と違ったので、古いワイン年鑑本を開いてみる。
やはりサンジョヴェーゼが中心。
2003年ヴィンテージは、サンジョヴェーゼが90%、カベルネ・ソーヴィニオンが5%、メルロー5%。

2003年はとにかく暑い年だった。
アルコール度14.5%は全く感じないのだが、ふくよかで、あの暑かった夏を思い出す。(近年も暑い年はあったが、2003年は、まだクーラーが今ほど普及していなかったこともあり、とにかく暑かった。。。)

ちなみに、このころのランポッラの醸造家はジャコモ・タキス。
サッシカイアの醸造家である。
タキスが遺したワインは、サッシカイアだけではない。