在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Ermafrodito, Mostra Bernini ヘルマアフロディトス像 ボルゲーゼ美術館のベルニーニ展

2017-12-21 21:06:00 | 何故か突然アート
Ermafrodito, Mostra Bernini alla Galleria Borghese
ヘルマフロディトスとボルゲーゼ美術館のベルニーニ展



ヘルマフロディトス(ヘルマプロディトス)は、ギリシア神話に登場する神。
両性具有の神として知られている。

お父さんはヘルメス、お母さんはアフロディテ(ヴィーナス)、たいへんな美少年であったようだが、ニンフのサルマキスに恋され、襲われそうになった(笑)のを拒否し、拒否されたサルマキスがゼウスに頼んで永久に結合してもらったということらしい。

そこで、見た目は美少女のように美しく、しかし、男性の体と女性の体の両方を備えている。

さて、ボルゲーゼ美術館には、1階にあるヘルマフロディトスの間に、長らく、1体のヘルマフロディトス像が置かれていた。


この日は実際になかったので、この写真はHPから

壁際に沿って置かれていたので、両性具有、と言われても、美しい少女のような後姿だけした見えず、ふーーん、そう、としか思えなかった。



さて、ここで、11月にボルゲーゼ美術館で始まったベルニーニ展。

ところが、少し前、久々にボルゲーゼ美術館に行ったところ、それがなくなり、代わりに、似て非なるヘルマアフロディトス像が飾ってあった。

それも、中央ではないが、向こう側へ回れる位置に、である。

像はそっくり、たぶんほとんど同じだとわかったが、マットレスが違う。



後ろ(つまり前)に回るとこんな感じ
ほんとだー


ちょうどベルニーニ展、ただでさえ狭い所、多くの作品が追加されているので、どれが常設展のものか、特別展のものか非常に分かりにくい。

以前あった像は何度も見ているので、確信があったが、これは、あっちとこっちの作品が交換されて展示されているのかもしれないと思った。

そこで、改めて、ボルゲーゼ美術館の作品解説、を見てみる。
すると、以下の説明がある。

部屋の名前は、有名なヘルマフロディトス像に由来し、その像は、ポリクレートのオリジナルの、2世紀(注:紀元後)のローマ時代のコピーで、現在、ルーブル美術館に展示されている。作品は、1609年、サンタ・マリア・ヴィットリア教会(注:テルミニ駅近く)建設中に発見され、1620年にジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598−1680)によりマットレスに自然に横たわっているように変えられた。
1807年、ナポレオンに古代コレクションが売却されたあと、パーロ(注:ギリシャ)の大理石で造られた似ている像(2世紀)で、アンドレア・ボルゴンディ(1721?−1789?)がベルニーニのものに似せて修復したアフロヘルマフロディトス像に置き換えられえた。

つまり、今回のベルニーニ展で、以前あった本物のアフロヘルマディトス像が戻ってきたということになる。

と言うことは、もしかしたらルーブルに、置き換えられたものが展示されているのかも??
(それとも、単に倉庫に眠っているだけか。。。)

ルーブル美術館の方の作品解説を見てみる。

説明は似ているが、
ディオクレティアヌス浴場付近で発見ー確かにそうと言える
マットレスの制作を依頼したのはシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿ーたぶんそうだろう
ヘルマフロディトス像自体の修復を手がけたのはダヴィッド・ラリク
ナポレオンが義理の弟にあたるカミッロ・ボルゲーゼから購入しているーナポレオンの妹はボルゲーゼ家に嫁いでいる

しかし。。。。。。
前3−前1世紀
になっている。

あれー、前と後では違うのよー

と言いたいのだが、たった100−200年程度しか違わないからいい??

ということで、今回のボルゲーゼ美術館のベルニーニ展では、あっちこっちから運ばれてきたベルニーニの作品が展示されている。(ルーブルからのものが多い)

もともとボルゲーゼ美術館には、アポロとダフネ、プロセルピーナの略奪、ダビデを始めとする多くのベルニーニの作品が展示されているが、所狭しと、またまた彼の作品が置かれている。

ベルニーニファンなら、今回のベルニーニ展は必見。

ボルゲーゼ美術館は2時間交代の完全予約制なので、当日ふらっと行ってもおそらく入れない。
ネットで事前に予約する必要があるが、同じ行くなら今がいい。

ベルニーニ展は2018年2月4日まで。
急いでね〜

Trigoria, Campo Sportivo F. Bernardini トリゴリア、ASローマ練習場への行き方(2)

2017-12-21 16:25:20 | もろもろ、つれづれ
Trigoria, Campo Sportivo F. Bernardini トリゴリア、ASローマの練習場までの行き方(2)



さて、前回が、どうやってトリゴリアまで行くか、地下鉄とバスの乗り方。

テルミニ駅から地下鉄25分、最初のバス20分、その後のバス15分程度、乗り物に実際に乗っている時間は1時間程度なのだが、待ち時間がとにかく長く、最低1時間半、できれば余裕を持って2時間は見積もった方がいい。

ところで、練習の日程は電話で教えてくれる。

まず、絶対にローマにいそうな日程を見て、1週間程度前に電話、あとは数日前、前日、と電話していく。
とても感じが良く、丁寧に教えてくれる。

が、ここで、急な変更はあり得るのだけど、と何度か断られたが、本当に急な変更があった。

だから、余裕を見て、2日に渡るスケジュールは組んでおいた方がいいと思う。

練習は、冬時間だったので(夏は違うと思う)午前中は11時ごろから、午後は15時ごろからだった。
それぞれ1時間前に「入り」、練習は1時間半から2時間、その後「出」。



さて、ここからが前回の続き。

広場(Dino Viola広場)に着いたら、目の前に緑の門、Centro Sportivo Fulvio Bernardiniの看板がある。



おおー、着いた〜

しかし、目指すのは向かって左、左側の道を入っていく。
カーブ後、すぐに駐車場の入り口があり、ファンがすでに待っている。
警備員もいる。



入りは、選手は停まらないので、その辺りでお目当ての選手の車の型と色をチェック。
ここでちゃんとチェックしておくと、本当に帰りにわかりやすい。

警備員はみんな優しく、誰々はもう入った?と聞くと教えてくれる。

また、全員入ると門を閉めるので、わかりやすい。
閉まったら、待ってた人も解散。

車があれば車で待ってたり、ちょっとどこかに行ったりするのだが、車がないと仕方ないので、向かいのローマの旗がひらひらしているバールに避難。

小さなバールで、スポーツ紙とローマ新聞を売っているので、ゲット。

それに、トイレがある。

お茶を飲んでもまだ時間が余るので、周りを散策、探索。

広場にある門に向かって右へ行くとカンポ(練習場)が(覗き)見えるが、この辺りは選手は使わない。
その後、小川のようなものがあり、行き止まりに近い。

今度は門に向かって左。駐車場を超え、そのまま道が続いている。
ポツポツと住宅が建ち、しばらく行くと、もう一つ門がある。

ずーーーと前は練習風景が見えたらしいが、今は絶対に見えないようにしているということで、本当に全く見えない。
それでも何か見えないかとうろうろ。

その門あたりにいると、(こちらの門の)警備員がやってきた。
とても感じが良いのだが、このあたりに長く滞在しないよう促しているという。

でも、練習してるのはここだよー、と指差してくれた。
練習しているのは、その門の右にあるカンポ。
高いネットで覆われ、中は全く見えない。

そうかーここにいるんだぁー、となんとなくワクワク。


さて、いよいよ出の時間が近くなる。

どこで待つか。

駐車場の門の真ん前で待つ人。

広場と駐車場の門の間にカーブがあるので、その辺りで待つ人。

広場で待つ人。
選手が家に帰るのに、絶対に車で広場を通るので、ここで待つのも悪くない。


電話で確認した時に、選手たちは大抵止まってくれますよ、と言っていたが、本当だった。

結構停まってくれる。

写真、セルフィー、サイン、結構みんな感じがいい。

私の好きなデ・ロッシは、スマートの窓をわざわざ開けて、

オ、ベッリー

と叫んだ。

ありがとよーーー
って感じ。
すごーくワイルド。

あーゆーワイルドなタイプが好きなの?と言われたことがあるが、うーん、やっぱり結構好き。


さて、帰りは簡単。
広場に停まっているバスに乗り込む。
ここで運良く、1時間に1本程度の707番のバス(Prolungata)が止まっていればラッキー、地下鉄駅まで直行。

そうでなければ、795番に乗り、その後707番に乗り換え。
エウル・フェルミの駅の停留所は、降りる人が多いので大丈夫だと思う。

これも不安だったら、バスの前の方にいて、車掌さんに聞いておくと良い。
この辺りのバスはのんびりしているので、言葉はわからなくても親切に教えてくれる。

今度はマクドナルドの前を通り(しばし休憩。。)地下鉄B線に乗り込む。テルミニまで。


ローマは見るところがたくさんあるので、まさか、ローマのサッカー練習場を見に行く予定を立てようと思う人は少ないと思うが、参考までに。

役に立って、好きな選手のサインでももらえれば私も嬉しい。


なお、待っていたら羊が通った。
トリゴリアは、そんなローマの田舎。。。

Trigoria, Campo Sportivo F. Bernardini トリゴリア、AS ローマ 練習場への行き方

2017-12-21 14:59:08 | もろもろ、つれづれ
Trigoria, Campo Sportivo F. Bernardini トリゴリア、ASローマの練習場までの行き方



少し前に、トリゴリアにあるローマの練習場へ行きたい、という仕事の依頼があった。

数年前の情報と変わっていることもあるので、行ってみたい!と思う人のために書いておく。これは2017年の情報。


イタリアでは、サッカーを見ない、好きではないという人もいるが、一般的にはやっぱり好きな人が多い。
熱狂的になりすぎるのは問題だが、それはそれで、心の拠り所になる。

ローマ、正確にはローマのあるラツィオ州には二つのサッカーチームがある。

ローマとラツィオ。

ラツィオの方が古く(創設1900年、対してローマは1927年)、そして、ローマ以外の土地に住んでいる人はラツィオのファンが多い(原則ラツィオファンであるはず。。)のだが、ローマでは、やはりローマファンの数の方が勝っているような気がする。
サッカー命の人に、違うー、そんなことないー、と怒られるかも知れないが。。。

さて、イタリアに来たばかりの頃、友人(日本人)に熱狂的ローマファンがいて影響を受け、私もローマファン。



トリゴリア。ローマの練習場のあることで有名な場所だが、ローマの南の郊外にある。

遠い。。。

自分で行くとなると、車で行くことしか考えない。

しかし、仕事なのでそうはいかない。

公共機関利用。。。。

間違えてはいけないので、行き方をイタリアと日本のネットで調べた。

まず、ローマの練習場の住所、これは肝心。

Piazzale Dino Viola 1, 00128 Roma

ちなみに、これは、練習場となっているカンポ・ベルナルディーニの住所。
AS ROMA (株)で調べると、

Via Trigoria 248

という住所も出てくるだろうが、前者の住所の方がわかりやすい。

行き方は、わかりやすいように、テルミニ駅を出発点とする。

地下鉄B線に乗る。(青いラインの方、縦に走っている方)

南方向、ラウレンティーナLaurentina行きに乗り、終点から一つ手前のエウル・フェルミEUR Fermi駅で降りる。



降りて地上に出たら、マクドナルドの看板を探して欲しい。(たぶん左前方になるはず)
その方向にそのまま進み、ただし道は渡らず(つまり、マクドナルド側へは渡らない)、角を左に曲がる。
その通りは、Viale dell’Arte のはず。(4つかどのどこかに通り名を記したプレートがあるので確認)
わずか数十メートルも行くとバス停がある。

バスの看板を確認する。
707番があったらOK。(ただし、反対方向に乗らないように)

運行は20分に1本程度のよう。
そこで、タイミングが良ければ良いのだが、悪ければしばらく待つ。

さて、ここで、以前は、このバスでダイレクトに練習場(Dino Viola)まで行けたらしいのだが、今は、1時間に1本程度を除いて、少し手前にある住宅街で停まってしまうように変わっている。

運良く、707 Prolungata (引き伸ばされた、の意味) のDino Viola行きが来れば良いが、たぶん来ないので諦め、707 D’arpe行きに乗る。

たいてい空いているバスなので、車掌さんものんびりモード。

終点で降りれば良いのだが、その後の乗り換えのこともあるので、乗ってすぐに車掌さんに、トリゴリア、ローマ??と聞くと良い。
たいていの場合、降りるところを教えてあげるよーと言われるはず。

なお、他に乗ってくるイタリア人らしき人が、同じようにトリゴリア?と聞いていたらその人に注意しているのも良い。
イタリア人でも、初めて公共機関でトリゴリアまで行くとなると、ちょっと心配。車掌さんに聞く。
または、いかにもトリゴリアまで行きそうーという雰囲気の人がいれば、それもマーク。

20分くらいだろうか。
ずーーーーとまっすぐ進んでいる道を右に曲がったら、そこが終点。

ここだよ〜、あとは、あそこから乗りなね、と言われる(だろう)が、それは、今曲がったばかりの角(つまり後方へ歩く)を右へ行く。

目印に、一軒、小さなバールがあるのでそのほぼ前のバス停。

そこで、今度は、このあたりの地域だけを巡回しているバス 795 Dino Viola行きを待つ。

これも20分に1本程度。

すぐに来ればいいが、やはり、待つ可能性も大。


しかし、この辺りから、いよいよ緊張。

なぜかと言うと、ローマに住んでいる(トリゴリアより先に住んでいる選手は皆無)選手は、練習場行くのに絶対にこの道を通るので、大きな車、かっこいい車を見かけたら要注意。

確かに、待っている間に何人かの選手が通った。

デ・ロッシが、通ったーーーーーーーー

ここで、車をチェック。

彼の車は二人乗りのコンパクトカー、スマート。色は黒。

入りの時に、お気に入りの選手の車の色と型をチェックすると、帰りに待っている時に大いに役に立つ。


さて、795番のバスが来た。
乗り込む。
ここからは10分程程度。

降りるのは終点なので間違えない。

また、ローマの旗の出ているカフェがすぐ手前にあるので、すぐにわかる。


これが終点のDino Viola広場

ところで、この道、30分弱歩けば着くのだが、絶対に歩かないほうがいい。
道の左右は草ぼうぼう、直線の道でかなり飛ばしている上に、歩道がなく、すごく危ない。
間違っても、歩いていこうとは思わないように。

さて、いよいよ到着。

長くなって来たので続く。。。

イタリア映画の紹介 Finche' c'è' prosecco c'è' speranza di Antonio Padovan プロセッコある限り希望がある

2017-12-21 09:50:44 | 何故か突然イタリア映画
Finche’ c’e’ prosecco c’e’ speranza プロセッコがある限り希望がある
監督 アントニオ・パドヴァン



ワイン(スプマンテ)メーカーが自殺を図る。
プロセッコを造っている、アンチッロット伯爵。40ヘクタールのぶどう畑を持ち、完全な自然派ワインを造っている。
プロセッコの丘陵地帯が画面にとてもきれい。

ただし、しょっぱなから、おいおい、ワインメーカーがグラス、その持ち方はダメよー(笑)

彼の自殺は本当だが、同時に殺人事件も起こる。

一見アンチッロット伯爵の自殺とは関係ないように見えた殺人だが、その関係を暴いていくストゥッキー警部。




建築家から転向したというパドヴァン監督の処女作に当たる初の長編。
映画の世界にはずっと憧れていて、建築を選考したものの、ニューヨークで映画を勉強し転向したそう。

原作は同名(ではないーーーー)の小説。
原作はprocesso(裁き)で、こっちはプロセッコでしたーー(かなりしばらく気がつかず。。)

10年ほど前に読んでとても面白いと思った、ということで映画化。

イタリアではチネパネットーネ(クリスマスに上映される、ある意味どうしよーもないコメディ)がたくさん、ドラマティックものも多いが、推理ものとか警察ものはとても少ない。
そこで、珍しく推理もの。

ストゥッキー警部役はバッティストン。大御所俳優の一人で、大きな体、個性派の人気俳優。

役柄ではワインのことをあまり知らないはずの彼の方がきちんとグラスを持ってる。(笑)

プロセッコの丘陵地隊の画面がとてもきれい。
ストゥッキー警部のオジさん、頭のおかしい墓の掃除人など、コショウが効いた感じの役柄は面白い。

が、 全体に淡々としすぎ。
涙を流すものはいないし、父のお葬式に南米からやって来た娘が、お葬式に(いくら似合うとは言っても)赤いワンピースで出席もかなりナン。

そして、ネタバレになるが、おばさんがピストル持っても、そう簡単に当たらないよー
(かなり大きめの重そうなピストルだし。。。)

そして、プロセッコなのにタンクがないー

クラシック方式だとプロセッコじゃないよー

それから、いくら有機栽培で良いものを造っても、プロセッコじゃあ、蜘蛛の巣が張るほど長く置いておいて飲むことはないよー
(飲めないわけではないが、クラシック方式とちょっと混同)

ということで、さらっと見れば面白い推理もの、ワイン好きから見たら、かなりご愛嬌、の映画でした〜

かるーく見るにはとても良いので、映画館での入りは良いそう。
ポスターが、推理小説の表紙のようでとてもカワイイ。