『斑鳩 桜祭能』
4月4日、家族と『斑鳩 桜祭能』に行く。
会場に着くと能楽で知り合った友人がわたしたちの席を取ってくれていた。
ありがとうございました。
仕舞は「杜若」 豊嶋晃嗣さんと「春日龍神」豊嶋幸洋さん。
「杜若」は伊勢物語で暗記を要求される カキツバタ・・・である。
『伊勢物語』はここ最近本を替えては三、四回読んでいたし、『仁勢物語』とも比較して読み、『伊勢物語』の素晴らしさを痛感していたところなので、嬉しくてたまらない。
舞われる情景がすんなりと受け入れることできる。
素晴らしかった。
左に座る友人も右に座る家族もうっとり。
余談だが、今年の古典の講義は幸運にも『伊勢物語』が何コマかあるらしい。
今回私の机には角川の日本古典文学5『伊勢物語・大和物語』もおいている。
最近同じ古典を違う解釈で読むのもマイブームである。
仕舞二つ目は「春日龍神」
能楽「春日龍神」は以前鑑賞したことがある。
衣裳や面や冠を思い浮かべ、楽しむ。
歌舞伎でいうと荒事のような「春日龍神」
私は能楽を全く知らないので、どのような言葉が適当かは知らない。
しかしこういったものは、わくわくする。
飛び跳ね、見得を切り(?能楽ではどういうのだろうか...)、形を作る。
素晴らしく格好が良い。
私の心にはきらりと光る春日龍神の冠が輝きうつっていた。
狂言「神鳴」は狂言の中でもかなり好きなもののひとつかもしれない。
面が素晴らしい。
動きも好きだ。
あまりに面白いので帰宅後小学館の日本文学全集『狂言集』から「神鳴」を読み楽しむ。
若干今回見た部たちとは部分的に違うところもあったから、よけいに楽しく感じる。
狂言というよりも歌舞伎の松葉目ものに近い感じがして、親しみが枠といった愚か者の私。
私は能楽や狂言は好きだが、それらを全く知らない。
悪い癖で「神鳴」を見ると「鳴神」と頭にかすめる。
狂言を見ながら、何度も何度も見た歌舞伎を思い浮かべ、比較しながら見るのは正しくない見方だと思うが、こればかりはどうしようもない。
芝居中毒か・・・。
能や狂言ももう少し良く知りたいと痛感する。
最後は待ってましたの 能「田村 長床几」
今回も能楽師の植田恭三さんがシテ。
旅僧(ワキ)の村山弘さんのお声も響きわたる。
能「田村 長床几」は初めての曲なので、いただいたパンフレットを何度も読み、舞台を楽しんだ。
観世流百番集では「長床几」の記述は無く「田村 」となっている。
説明によると
【小書の長床几は、金剛流独特の演出で楽しめる。】
とある。
パンフレットの「田村 長床几」と観世流百番集「田村 」ではで出し方言葉が異なっている。
能「田村 」は清水寺縁起がもとになった演目だと言う。
京都生まれ京都育ちの家族とわたしには知っている地名も多くその情景が目に浮かぶ。
素晴らしく感動する能楽田村を楽しんだ後、友人と、そして家族と『田村』に盛り上がる。
興奮は冷めず、斑鳩ホールから大和川へとそぞろ歩き、桜を楽しむ。
大和の桜と桜井色に染まる空はまるで斑鳩の桜祭能の余韻をより長く確実なものにする。
今年の桜祭能も楽しかった。
最後になりましたが、
関係者のみなさま、楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。
感謝申し上げます。
私は能楽を全く知りませんので、失礼があればお許し下さい。
桜祭能案内ページより ▼
4月4日(日)14:00~16:00
桜祭能
能「田村 長床几」 植田恭三
狂言「神鳴」 雷/安東伸元
医者/井上放雲
地謡/金久蒼汲 原斗轟 寺西将惺
仕舞「杜若」 豊嶋晃嗣
「春日龍神」 豊嶋幸洋
場所 :いかるがホール・大ホール(奈良県生駒郡斑鳩町)
入場料:前売2000円 当日2500円
チケット販売場所:法隆寺iセンター・いかるがホール
斑鳩町内公民館・斑鳩町観光産業課
(社)奈良県ビジターズビューロー
お問い合わせ:斑鳩町観光協会 0745-74-6800