38年前の今日、川端康成は逗子の仕事部屋でガス自殺した。
川端康成の自殺の原因はいろいろといわれている。
しかし実際のところは、誰にもわからない。
彼は自殺する4年前にノーベル文学賞を受賞。
川端康成はまわりからいろいろとささやかれる中、自分でも執筆に悩んでいた。
彼は文体を持たない作家として有名である。
彼の受賞時は記憶には無い。
だがその後も度々流される彼の苦悩の言葉は、テレビにも流され、なにがしらに載せられることがある.
「必ずしも人のためになる物とは限らない。むしろ、ためにならないものを書くかもしれない」
といった本来の芸術魂に燃えた彼の言葉は、あとになって目にしても、心に響いている。
川端康成は大阪生まれ。
彼の生まれた大阪の生家にわたしはなじみが無いが、大阪といえば旅芸人や芝居小屋の多かった土地出会ったと赤松啓介などが記されている。
医者の息子であった彼が東大文学部を卒業。
いろいろなタイプの小説を書き上げた一方、踊り子たちと親しくしていたという。
後年、頼まれた書評が書けずに、何十年も前の文を再度使用したという川端康成に、一体どういった心の揺れや葛藤があったのだろうか・・・。
「必ずしも人のためになる物とは限らない。むしろ、ためにならないものを書くかもしれない。」
と噛み締めるようにつぶやいた彼の
『むしろ、ためにならないものを書くかもしれない』
といった部分の作品や文を読んでみたかった・・・。
かって『眠れる美女』などの多くの作品を描いた彼を忘れ去ってしまったのだろうか・・・。
今日はなんだかしんみりとしてしまう。
今日は季節はずれともいえる冷たい、つめたすぎる雨が降る・・・。
ちまたでは本日 村上春樹の『1Q84 BOOK3』発売部にあたり、早朝から書店に並ぶ人が耐えなかったという。
『1Q84 BOOK3』は今頃は完売状態だろうか・・・。
こんな日はそういった明るい話題は気が晴れる。