化物和本草 13 十丁裏「疳積(かんちやく)の虫(むし)」
山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門
化物和本草 3巻
山東京伝作 1761-1816
葛飾北斎画 1760-1849
版元 山口屋忠右衛門
寛政十 (1798)
18cm
黄表紙
読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー
化物和本草 十丁裏
「疳積(かんちやく)の虫(むし)」
かんしやくのむしハ、ひたいに出しおく
しゆきばりたるむしなり、なりたふんハ
大ざけをこのみ、すりばち
すりとき、さらさはちをうちわつて
くらふをのかみきへしの
くへきずいむらに、このむし
おゝくしや□□(欠け)
ゆう/\じやなんし、おしやう
ゆるりくらんはのまるかゆを
ゆるりくらんはのなるまゆを
かけてきをなかしかぢ
したぬいてのいしき
さいご、したまふ、
ひとたるかのこの
むしにつかれるときハ
ついにみをほろぼすなり
きなし
きすいを
つゝしみ
くのむしを
ちかづけ
べからず
しゆうとう
くるしみを
たすかれ
/\
疳積(かんちやく かんしゃく)
ちょっとしたことにも感情を抑えきれないで激しく怒り出すこと。また、そういう性質や、その怒り。「癇癪を起こす」「癇癪が強い」
疳(かん)
小児の病気のなかで最も恐れられていたのは痘瘡,麻疹であり,大量の子どもがこれで死んだ。小児特有の病気として古くからいわれてきたものに〈虫(むし)〉と〈疳(かん)〉がある。虫という病名は,本来医学用語の体熱の蒸(むし)から出たとされ,のちに小児に多い寄生虫と結びつけて広く用いられるようになった。(小児医学より 世界百科事典)