皇帝の花嫁
満足度 ★★★★★
感動度 ★★★☆☆
話の展開 ★★★★★
音楽 ★★★★★
映像美 ★★★☆☆
城(舞台)★★★★★
全体を通して★★★★★
1964年 ソ連
作曲 ニコライ・リムスキー=コルサコフ
(19世紀後半)
指揮 E・スヴェトラーノフ
演奏 ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団
監督 ウラディーミル・ゴリッケル
キャスト
R・ネダシコーフスカヤ
G・オレイニチェンコ
N・ルードナヤ
L・アウデーエヴァ
O・コベリーゼ
E・キプカロー 他
舞台は16世紀。
堂々とした城の舞台は石といい柱といい見事というほかはない。
旧ソ連時代に ロシア・オペラ映画演者(キャスト)、衣裳、美術、ロケなど全ての点において 国家の威信を示すべく巨費を投じた超大作オペラ映画の一作。
他の女(A)に心を奪われた男への復讐のために、貞操を犠牲にしてまで毒薬を入手する女(B)の愛の執念を描いたオペラ。
或る日皇帝が女(A)に惹かれ、結婚と相成る。
女(A)をあきらめきれない男は惚れ薬を媚薬やに頼実、婚礼の儀の時にに飲ませる。
しかしその薬は惚れ薬ではなく、女(B)が薬屋に頼んで作らせた美を失い、最後には死んでしまう毒薬。
女(B)は執念の思いで薬屋に言い放つ。
「毒薬を作って頂戴~~♪
すぐに死なない毒薬を~~♪
美しさが失われ 目はうつろいで 髪の抜け落ちる毒薬を~~♪ 」
そして失念の思いで、
「おぉ、この代償は高すぎる~~♪
なんていやらしい男なの~~♪」
と薬屋にはき捨てる。
まるでお岩さんだ。
最近テレビで観たカンザブロウさんと花組芝居の『四谷怪談』を思い浮かべる言葉(歌詞)。
しかし実際に毒薬を飲んだ女(A)はうつろいだまなざしで、気のふれたようにひらひらと舞い、歌う。
そして湖に美しい姿を映し、少女のように歌う。
まるで能楽での業平を思い慕う『井筒』や『杜若』の精のような雰囲気。
そして・・・・・・
湖に映した美しい姿は水面の波紋を持って打ち砕かれる。
美しい意味深い映像に息をのむ私。
皆は婚礼の時に酒を飲ませた男を疑う。
すると女(B)が、
「私が毒薬と入れ替えたのよ~~♪」
男は剣で女(B)をいっきに突き刺す。
「人思いで殺してくれてありがとう~~♪」
女(B)は男に微笑みかけ、命尽きる。
なんという恋心・・・・・・
皇帝は女(B)の件で 男を人殺しとして捕まえる。
ここの男性の心理状態は理解しがたい・・・・・・
『王妃のことではないのか・・・・・・』
と、内心皇帝をしかる。
ロシアオペラ映画はイギリスのオペラ映画とは全く雰囲気が違って、どちらも面白い。
ロシアオペラ映画は貴族の少々野蛮な風俗も興味深い。
イギリスの方は詩を口ずさむように読み 言葉が優雅なのに対して、ロシアの方は荒々しさや群衆、力強さを感じさせるので、両方好きだな。
オペラ映画って本当におもしろい~~。
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