乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

96; 『夜のミッキー・マウス』 谷川俊太郎著 2003年 新潮社

2010-06-19 | 読書全般(古典など以外の一般書)




2010年度 96冊目  





                    『夜のミッキー・マウス』

  



 谷川俊太郎 著
 
 新潮社

 2003/09/25

 107ページ 1,575円



『夜のミッキー・マウス』というタイトルをみて、谷川俊太郎さんも離れている間にそういったかとほくそ笑む。

『夜の   』といえばセンダックや『真夜中の   』の木村泰子を思べ、好感がもてるがあとにミッキー・マウスがつくとやたら気恥ずかしい。

 しかし詩を読み進むと谷川俊太郎惨らしい言葉遊ぶが感じられる。

 中でも「よげん」は仮名が並び、まるで呪文のようで好きだった。




    
   よげん

きはきられるだろう
くさはかられるだろう
むしはおわれ
けものはほふられ
うみはうめたてられ
まちはあてどなくひろがり
こどもはてなずけられるだろう
そらはけがされるだろう
つちはけずられるだろう
やまはくずれ
かわはかくされ
みちはからみあい
ひはいよいよもえさかり
とりははねをむしられるだろう
そしてなおひとはいきるだろう
かたりつづけることばにまどわされ
いろあざやかなまぼろしにめをくらまされ
たがいにくちまねをしながら
あいをささやくだろう
はだかのからだで
はだかのこころをかくしながら


 新潮社 ▼

谷川俊太郎 著

この上ない言葉たちが誘う、この上ない世界とのかかわり方。新たな新鮮な詩集の誕生。

買っておけばよかったと思うものは多くはない もっと話したかったと思う人は五本の指に足らない 味わい損ねたんじゃないかと思うものはひとつだけ それは美食に渇きつつ気おくれするこのぼく自身の人生――意外な表情のミッキーや鉄腕アトムに出会い、世界と交合し、魂の彷徨を尾行する。書下ろしを含む、単行本未収録の29編収録の最新詩集。


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