記録のみ
2010年度 175冊目 『日本の教育格差』
橘木 俊詔 著
岩波書店
岩波新書 新赤版 1258
2010年7月21日
240ページ 840円
図書館に行く。
11月購入本の棚に橘木 俊詔著『日本の教育格差』
橘木 俊詔さんの本は何冊か読んでいる。
教育格差とあっては読まないわけにはいかない。
手続きをとり、直行家へ。
開けた内容は、わが子教育に関連した内容部分もあり…。
想像通りの内容と想像を超えた内容。
おもしろいなと思いつつ、今は社会人となったわが子二人の母親であるわたしにとっては、日本全体で考える教育よりも、趣味に注意が注がれる。
かなり遠い将来、孫ができる頃には、再びこの問題も自分の中でクローズアップすることであろう。
ニュースをいていると、教育問題もさることながら、本年度の就職難は気の毒な程である。
大卒が軽視される中、大学名格差は已然残る。
ここ数年、そこからあぶれ出す学生たちが就職できないという。
一般の若者が将来を見据え、安心して生きてゆける日本であって欲しいと願う。
岩間に株式会社 ▼
目次
第1章
学歴社会の実相―「三極化」の進行
1 日本は学歴社会なのか
2 大学進学の壁
3 学歴格差は三極化
第2章
家庭環境の影響力をどうみるか
1 子どもの学歴を決めるもの―親の階層と学歴の関係
2 文化資本か、学力資本か
3 高校、大学に進学する要因の変化
第3章
学校教育の進展と新たな格差
1 教育の目的・方法の変遷
2 公立か、私立か
3 エリート単線型の学歴コース
第4章
不平等化する日本の教育―家計負担が増加するなかで
1 学費負担と教育の不平等
2 低い公費負担、増える家計負担
3 貧困家庭の増大と教育
第5章
教育の役割を問う
1 教育の目的を検証する
2 リベラリズムと教育政策
3 働くことと教育の連携
終 章
教育格差をどうするか
岩間に株式会社 ▼
親の「格差」が子どもにも……
著者の橘木俊詔氏は、1998年に岩波新書より『日本の経済格差』を刊行し、「1億層中流社会」がもはや幻想でしかないことを指摘して、日本が「格差社会」に突入していることにいち早く警鐘を鳴らしました。その格差問題の第一人者である著者が、教育をめぐる格差をテーマとして挑みます。日本の学歴社会の実相、家庭環境と子どもの学力・学歴との関係など、豊富なデータを駆使して、教育格差の現状を検証。何が問題なのかを浮き彫りにし、打開策を探ります。
この本にはいくつかの論点がありますが、ここでは大きく二つ紹介しておきます。一つは、日本の公的教育費支出の問題です。日本の公的教育費支出は、先進国の中では、とりわけ低くなっています(2006年調査では、OECD諸国の中で下から2番目)。そのため、教育費に対する家計の負担がとても大きくなっています。特に最近では、子どもの高学歴を目指し、塾や私立学校が隆盛する一方、不況の影響などで、子どもの教育を支えるのに苦しむ低所得家庭も増えています。そうしなかで、子どもの教育の機会均等が危機にさらされています。
もう一つの論点は、現在の教育内容についてです。現在、若者の貧困が増えています。学校を卒業しても正規の職がなく、低賃金のフリーターや非正規職に就く場合が多いことが大きな原因です。雇用や経済社会のあり方が問われていますが、一方、学校で学ぶことと社会で働くことの連携がうまくいっていない現象としてとらえることもできます。中学卒業後、大半の者が高校の普通科に進学し、さらに半数以上が大学に進学します。こうした、いわば「単線型の教育」ではたしてよいのかどうか。職業教育や生涯教育といった選択肢も含め、社会における教育のあり方、意義などを考えます。
この本は経済学者の経済学的アプローチによる、教育問題の書でもあります。これまで見落とされてきた視点も様々に含まれ、新鮮な問題提起の本になっていると思います。教育は、国の将来に関わる大きな問題です。ぜひ多くの方に読んでいただければと思います。
(新書編集部 田中宏幸)
■著者紹介
橘木俊詔(たちばなき・としあき)1943年兵庫県に生まれる。小樽商科大学、大阪大学大学院を経て、1973年ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D)。その後、米、仏、英、独の大学・研究所で教育職・研究職を歴任。京都大学経済学研究所教授、経済企画庁客員主任研究官、日本銀行客員研究員、経済産業省ファカルティフェローなどを経て現在、京都大学大学院経済学研究科教授、2005年度日本経済学会会長。
著書―『日本の経済格差』 『家計から見る日本経済』(以上、岩波新書)、『安心の経済学―ライフサイクルのリスクにどう対処するか』 『失業克服の経済学』(以上、岩波書店)、『日本のお金持ち研究』(共著、日本経済新聞社)、『脱フリーター社会』(東洋経済新報社)、『アメリカ型不安社会でいいのか』(朝日新聞社)ほか。
就職氷河期より厳しい現実が待っている大卒予定者。
貴方を社会が必要としていますと、言える社会でありたいですね。
親の収入に比例して子供教育が決まる社会になりつつあるようです。
この現時も何とかしたいですね。
コメントをありがとうございます*^^*
原村さんのおっしゃる通りですね☆
今の20代若者は自身を「悟りの世代」とよんでいる方もいらっしゃるようです。
しかしその世代よりあと、さらに世の中は悪化してしまい、原村さんのおっしゃいますように就職氷河期より厳しい現実という言葉がぴったりのように思いますね。
親の収入に比例して子供教育が決まり、就職につながる。本書でもそこを繰り返しておられました。
老も若きも、皆が将来に向けて安心できる日本であって欲しいものですね*^^*
原村さん
早いもので今年も師走となってしまいました☆^^☆
かぜなどひかれませんよう、お身体ご自愛下さいませ。☆^^☆
明日の楽しいお時間をお過ごし下さいネ#^^#
昨日の深夜、NHK・BSかBSHでベトナム戦争の時代のボートピープルの人の現在の旅が放映されていました。
戦火の祖国のベトナムを捨てて大海原へ。
フィリピンの人たちに助けられた感謝の旅行のようでした。と、言うのも直ぐに寝てしまったので、殆ど見ませんでした。
でも、ボートピープルで思い出した事があります。
南ベトナムからアメリカに難民として移住した人達の努力。
アメリカには地盤も何もないベトナム難民は血の滲む努力で学力はぴか一だったと聞いたのを思い出さずにはいられませんでした。
経済的にも劣っていた筈です。
なのに、努力する事で鞨鼓たる地位を築く為にたゆまぬ努力をしたベトナム人。
そんな事を思うと、経済力で学力が比例してしまう、なんとガッツの無い国民性になってしまった日本なのかと感じてしまった夜でした。
貧困の中から明日の栄光を夢見て努力する風土はどこへ。
夢を描けないほど、日本は疲弊しているのでしょうか。
そんな事を思ってしまいました。
コメントにはなじまない事を長々とスイマセン。
管理人さんも素敵な時が訪れ、素晴らしい一年の締めくくりでありますように。
コメントにはなじまないかもしれません。
空気中の湿度が低下するとインフルエンザの流行する季節です。乱鳥さんもご自愛の程。
コメントをありがとうございます☆
心に刻み付けながら拝見させていただきました。
昨夜は生憎テレビを見ていませんでしたのが残念。
ですが、原村さんのおっしゃいますことはよくわかります。本当にそうだなと感じました。
寺小屋の時代から諸問題はあったようですが、昭和以降に絞って考えますと、高度成長期以前は国立大学の学費が今のように高くなく、色々な方に門戸が広げられていた(実際には学費捻出のためにバイトに明け暮れるといった学生も多かったらしいですが)
今は小学校から電車を乗り継いで孰通いした子どもが中高一貫の学校に入り、大量に有名国立大学某学部などに入学。 そういったお子たちは将来どこか満足いくところに就職。学歴社会は崩壊しましたが、以前学校歴社会は残っています。そしてそこから逸脱した学生が、もえぎ苦しんでいます。
多少の格差ならいざ知らず、今年の予想を上回る就職難は尋常ではありませんね。
とはいえ、わたくしどもも電車を乗り継がせ、お弁当を持たせて 小学校の頃から大手塾に通わせました親で、お恥ずかしい限りです☆
教育格差はかなり難しい問題です。ですからそれをみこして無難にと願う親は、できる範囲!で子どもに手を尽くされるのが現状なのでしょうね。
親方日の丸の銀行が危ぶまれた時点で、日本は何が起きても不思議ではないと多くの方が考えています。しかしながら、今年の学生はお気の毒です。
できるだけ多くの層が安心できる世の中であって欲しいと願います。微力な一個人も多くの力を合わせれば、何とかなることが少しずつ増えていくかも知れませんね。そんな風に考えるだけで終わる自分の情けなさを噛み締めながら、これを書いています。
中味の無いことをくどくどと書いてしまい、申し訳ございません。実際大きな問題だとは思いますが、一個人としてはどのように手を施していいものなのか…。難しいですね!悲しいですね!
原村さん
コメントになじまないなんて、一切気になさらないで下さい。わたくしの方は気にしておりませんし、お話しできるのは嬉しいことです。ただ、削除した方が良ければ、お知らせ下さい。気がつき次第、アップを取りやめま~す*^^*
師走は気ぜわしいですね^^
わたくしごとですが、今月後半、イランに付き添います。
原村さん*^^*
寒いのでおからだに気を付けて下さいませ☆
来年はウサギ
ぴょんぴょんと跳ね上がる素敵な年になって欲しいですね*^^*
これからもどうぞよろしくお願い致します☆
原村さ~~~ん☆^^☆
素敵なお時間をお過ごし下さいね#^^#