そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

夢十夜(4)

2010年10月29日 | 日めくり帖
10/29
「広い土間その片隅で膳を据え一人で酒飲む爺さんがおり()」
「歳聞けば忘れたといい家聞けば臍の奥だと正体不明()」
「飲んだあと吐いた息吹きが吹き抜けて柳の下をさらに河原に()」
「爺さんは腰に瓢箪肩からは四角の箱を脇に吊るせり()」
「まっすぐに柳のしたに至れれば子供が3、4そこに居りたり()」
「浅黄色アサギイロ手拭い出して細長くよりて地面に丸く置きたり()」
「爺さんはその手拭いが蛇になる言って回れる手拭いのそと()」
「一向に蛇に変わらぬ手拭いの首をつまんで箱に放り込む()」
「『今になる、蛇になる、きっとなる、笛が鳴る』唄いつ歩くずんずんととうとう出たる河の岸へと()」
「橋もなく舟もないからここいらで箱の中身を見せると期待()」
「爺さんはざぶざぶ河の中に入りだんだん浸かりやがて消えたり()」
「向こう岸上がれば見せる箱のなか期待も彼は上がって来ずに()」
コメント
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