2016/04/30
「木々の芽や新宅の庭ととのはず(子規)」
「新宅の庭に植えたる色々な木々の植生まちまちで調和が取れず
(木々芽吹きあれやこれやが動きだし新居の庭はちぐはぐなりし
/『ととのはぬ』語彙の実感あまりなし一度使いて慣れてみんかな)」
「水仙にたまる師走の埃かな(几董)」
「師走にはゆつくり眺めぬ水仙にうつすら埃たまるに気づく
(床の間に水仙活けてゆっくりと見る暇もなく埃がたまる
/いそがしく水仙眺める暇はなく時は流れて埃を積める)」
「年ひとつ老いゆく宵の化粧かな(几董)」
「年明けは齢一つを重ねるも宵が迫れば化粧をしたり
(晦日過ぎ明日には年が一つ増え老い感じつつ化粧する女
/一説にこの女とは三十路とか老いというには若きことだが)」
「たのみなき若草生ふる冬田かな(大祇)」
「ちゃんとした若草なれどたのみなく冬田にあれば育つことなし
(若草も冬田であれば未来なくやがて打たれて耕されるか
/まもらんとする意志がなくば若草も田おこしととも果てる命運)」
「鼠追ふや椿生けたる枕上(田福)」
「ぬぱたまの闇の鼠の音聞いて椿気になりしっしっと追える
(枕元椿活けるを狙えるか鼠の音してしっしっと追える
/暗闇に赤き椿の姿あり鼠気になるいたずらせぬか)」
2016/04/30
「あるなしの風にゆれつつ白牡丹神々しくて(鳥海明子)」
「大きさと幾重も重なる花びらと風格ありし牡丹の花は
(花言葉:風格)」
「百花の王牡丹は古代中国で愛でられ奈良に日本に来たる(『牡丹華さく』)」
「色々に改良されて江戸時代百六十種にも及びしという()」
「白牡丹といふといへども紅ほの(虚子)」
「牡丹萼ガクをあらはにくづれけり(蛇笏)」
「ぼうたんのいのちのきはとみゆるなり(草城)」