2020/01/01
「去年今年貫く棒は居眠りで
[切り替わる瞬間に永遠を感じさせたいが...][俳句]」
「元旦もバイトクルマで行きたるも暖かい日で過ごしやすけりく[][日めくり]」
「今年やる『高速読書』の一冊目梓澤要万葉の本[万葉恋づくし][万葉]」
「読書する本の種類で対しかたたぶん変わるが肝は統一
[小説、エッセー、歴史、論証、啓蒙etc.][]」
「寝て起きて飯食うために働らいて生きるというはシンプルである
[考えすぎると複雑になる、生きるとはとても単純なこと][ブッダ]」
「玄関に松を飾りてわれひとりおせちの蓋をあけるさいはひ[小池光][短歌]」
「トースターに膨るる餅を見つつゐて一つのことをわれは願へる[小池光][短歌]」
「あたらしき年はきたりてふゆぞらにたかだかあがる親子の凧は[小池光][短歌]」
「実験のためにマウスを飼ひをりき二十歳のわれは痩せて無口に[栗木京子][短歌]」
「パソコンの前でうたた寝してゐたりマウスに右のてのひら乗せて[栗木京子][短歌]」
「地下鉄の線路に水のしたたれる暗がりありて鼠出来る[栗木京子][短歌]」
「ふるさとの母と話せば里芋の味少し濃い時間の流れ[俵万智][短歌]」
「老い母の視線鋭くブロッコリーの山から選ぶ確かな一つ[俵万智][短歌]」
「長椅子に寝て新聞を読みおれば父が私を『母さん』と呼ぶ[俵万智][短歌]」
「季節を獲るごとくに鴨の網を張る男よ谷は蒼く暮るるを[黒瀬珂瀾][短歌]」
「ちうちうと蟹の脚吸ふ八歳と蟹味噌つつく四十二歳と[黒瀬珂瀾][短歌]」
「ドンジャラを一人負けして大泣きの吾児にも年のあらたまりゆく[黒瀬珂瀾][短歌]」
「ナゼ撃ツカ砂漠ヲ緑化シタ医師ヲ[矢島渚男][俳句]」
「根に託すこと幾許り脚は枯れぬ[矢島渚男][俳句]」
「冬あたたか待ち呉る会ある日なり[矢島渚男][俳句]」
「こだわりの根付きの松を門松に[宇多喜代子][俳句]」
「暁闇の年酒の銘に鶴と亀[宇多喜代子][俳句]」
「思い出を一瞬よぎる初荷馬[宇多喜代子][俳句]」
「那須五岳全容見ゆるノスリかな[正木ゆう子][俳句]」
「微笑んでくちびるを切る冬小立[正木ゆう子][俳句]」
「兵児帯の父を思へば山茶花ちる[正木ゆう子][俳句]」
「蛇口より受け若水よ気泡入り[小澤実][俳句]」
「わが産毛初日びかりの包むなり[小澤実][俳句]」
「ふるさとは筑摩の郡初景色[小澤実][俳句]」