2016/07/13
「天に穴ありて落ちくる雲雀かな
(野村喜舟
/空に穴あって墜ちくるように見ゆ雲雀の飛行急降下せり
/『穴があるようだ』と言わず『くる』と『かな』これにすべてを含ませており)」
「葉桜の中の無数の空さわぐ
(篠原梵
/葉桜を通じ見えたる空なれど無数にあって騒げるようだ
/葉桜の外の空などこの場合関係はなし火事であっても)」
「曇天にまぎるる桐の咲けにけり
(相馬遷子
/曇り空そこに紛れて桐の花咲いているかな花札のよう
/桐の葉は花札を見て知っているはてその花はいかがなものか)」
「背泳ぎの空のだんだんおそろしく
(石田郷子
/背泳ぎで空見ていたら妄想が浮かび次第に恐ろしくなる
/空落ちる妄想よりもおそろしきものいろいろと想い描けよ)」
「うすうすとしかもさだかに天の川
(清崎敏郎
/うっすらとしか見えないがあきらかに存在したり天の川かな
/ありさまが実感できず句意のこと曇るか霞むかよくわからない)」
「流星の使ひきれざる空の丈
(鷹羽狩行
/流星の途中で消えて地上へと落ち切れぬほど空は高いよ
/あの星もこの星さえも流れても流れ切れざる高さがありき)」
「倒れたる案山子の顔の上に天
(斎藤三鬼
/秋晴れで気持ちいい空眺めたる案山子倒れり天を見ながら
/天仰ぐ案山子倒るはたまたまか仰向けなるも五十五十か)」
「水中にしんと日を置く橡の花
(ながさく清江
/判読できず
/橡の花日が差し水に影写す祖をな読みにて許されるのか)」
「玲瓏とわが町わたる冬至の日
(深見けん二
/判読できず
/冬至の日散歩で町をわたるのか玲瓏なるもキーポイントか)」
「垂直の梯子西日に書を探す
(栗田やすし
/西日受く梯子放置の壁面に展示されたる書を探すなり
/西日受け光って見分けができぬ書の脇に梯子の影がくっきり)」
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