がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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レアな肝高の阿麻和利。

2011年04月03日 | ・肝高の阿麻和利レポ

綾庭の宴、夜公演の最初にアトラクション出演した
肝高の阿麻和利のレビューです。

なぜ、独立させてわざわざレビュー書くかというと…、

いつもの「肝高の阿麻和利」じゃない

からですよ。

まずは、いつもは2時間30分35秒(ハッタラー談(笑))の舞台を、
阿麻和利誕生と、レクイエムと、クライマックスという見せ場のみを抽出しての
30分バージョン!

以前見た1時間半バージョンとはまた違って、演舞がメインの舞台でした。
よって、「演技」という部分は少なかったのです、が。
阿麻和利が襲われ、死ぬシーンなどはフル演者で演じてくれました。

が、

なーんと!
阿麻和利君&百十踏揚、
チャレンジキャストー!!
(それは、いつもの阿麻和利君も百十踏揚も大阪に行ってて不在だったから)

もしかしたら、大主様もそうじゃなかったかな?

 

今の阿麻和利君になってからは、
別の子が阿麻和利を演じるというのは初めてじゃないかな?

おお~、演じる子によってかなり印象変わるものですねぇ…!

声量も迫力もあってすごかったッス!目力も強かった!
(勝利の舞の冒頭で伏せてた顔をキッとあげる所が印象的)
ワイルドで力強い阿麻和利君でした♪

大主様も百十踏揚も若かったね♪

大城賢雄はクールだった(笑)
(屋慶名にねじ伏せられて、離された後、「チッ」って裾はらいよったよ(笑)。
その仕草で思ったんだけど、屋慶名と賢雄はどちらが身分高いんだ?
…ほぼ対等かなぁ。…若干、賢雄が上か?)

BGMはもちろん生のきむたかバンド。

総勢40名ちょっとくらい?(男サンは4名…!)でしたが、
さすがのさすがにこじんまりとした印象はなく、
思い切った30分の舞台を披露してくれました♪

照明演出も印象的な「綾庭の宴」の舞台ですが、
それ用の照明が肝高の阿麻和利にも利用されていて、
「かっこええ!」ってなりましたよ。
照明とかそういう舞台装置はホールによって変わりますからね。
きむたかホールではできない(?)派手めな照明効果も見れました♪


レアな舞台を見た気分ですうひっ

 

写真は勝連グスクの三の郭にあるすり鉢状遺構。
水を貯めるためのものだったとか。

 

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綾庭の宴で涙そうそう

2011年04月03日 | ・現代版組踊レポ

涙そうそうだった、綾庭の宴。

2度目の観劇だったからか、
前回よりもストーリーが深く心に染み入っていきました。

次々と披露される琉舞やエイサーなどの伝統芸能。

そのひとつひとつに、
その芸能ができた由来や歴史、
引き継いでいくべき先人達の想いがあることを
キジムナーが語ってゆく。

ただの「演舞」としてだけでなく、その背景にある「想い」を見ることができたような。

うちなー芝居的なオール方言でちょっとユーモアのあるくだりも。

 

琉球王朝の華やかな芸能場面から一転、薩摩侵攻。
戦としての舞は決してど派手ではないけれど、
鉄砲・刀の薩摩軍と、空手で向かう琉球軍との対比が、なんかすごいよかった。
薩摩兵が抜刀して振り回しまくって叫びまくる、粗野な感じで、
琉球側の空手は演舞っぽい。尚巴志なんかの力強い空手とは全く違う感じ。

そして戦によって死に別れてしまった、ちるーとかなー

続いて沖縄戦。

鳴り響く爆音、銃声、戦う兵士たち、逃げ惑い、撃ちぬかれ傷つき倒れる人々。
ああだめだ、もうコレだけで泣けてしょうがない。

戦後の収容所(?)での場面。
カンカラサンシンをつまびく親兄弟を亡くしたおじさん、
親を亡くして失語症になった子ども、村人達。

何もかも失って、失意の中にあった中で、
サンシンの音を聴いた子どもが初めて声を取り戻す。


「もっと聴きたい」

と。



その一言をきっかけに、村人達は生きる気力を取り戻していく。
音楽と踊りでもって、人々が1つになり、前向きに、明るく立ち向かっていく
古からのオキナワンスピリット。

そして歌われる古謝美佐子さんの「童神」。
ここで泣かずしてどこで泣く!
(今でも思い出し泣きしそう…


東北地方の震災の様子と重なって、ああ、涙そうそう。


「あい!キジムナー!」
「…セツ子、あんた、キジムナーが見えたの?」
「…そっかぁ、このがじゅまるにもわったーキジムナーが帰ってきたのかぁ…」

 

戦世で消え去っていたキジムナーが、再びがじゅまるに帰ってきた。
戦世が終わり、新たに再出発していくための祝福の証。


なんかね、戦争の悲惨さとか愚かさとか、そういうのを伝えるのも必要だけど、
それに負けずに生き抜いた人間の強さ、
希望を見出していったウチナンチュたちの魂、
そういうものこそが大切なんだよなぁ…と、

しみじみ、しみじみ……。

戦という目に写る「状況」「映像」だけじゃなくて、
目に見えない「心」や「魂」の部分というか。

うまく表現できないんだけど、
前半の伝統芸能と、後半のこの沖縄戦の場面が「魂」という部分で
うまくリンクして深く深く心に染みこんでいった感じです。

っていうか、やっぱり古謝美佐子さん……ハンパないです(ううぅ…)。
もう、神、ですね。

 


そして前回も書いたけど、舞台全体を通して繰り広げられる音楽、光、映像での演出、
初演から変わらぬ、実力確かな役者陣。
(メインの2名のほかにも平田舞台メンバー増えてましたね!?「かなさ」のお2人も出演とは(笑))

キジムナーのユーモアに笑い、
ちるーとかなーの琉舞に魅入る。
(やっぱり、琉舞に入ったとたん表情も雰囲気も変わるぅ~!すごいぃぃ…

「四つ竹」とか「貫花」とかの古典音楽のアレンジもすごいドラマチックで秀逸なのです。
(本日、サントラをヘビロテ中)


タイムスリップとか伝統芸能と現代の融合とか、
平田舞台と似ている部分もありつつも、ちょっと趣きの違う「綾庭の宴」

平田舞台はドカンと真っ向から向かってくるパワーでテンションアーップ!!という感じですが、
綾庭の宴はじわ~っと染み入ってくる、という感じです。

どちらも素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい

本当に、もっともっと色んな人に見てほしい舞台です。
(当日じゃなくて、もっと早めにこのブログでも宣伝しとくんだったなぁ…と

 

ステキな舞台をありがとうございました

 

 

ちなみに、舞台写真はないのですが
舞台でも披露された「四つ竹」「貫花」の琉舞写真はこちらからどうぞ★

それから「綾庭」のあった越来グスク跡はこちらから

越来グスク、今はすごい存在感ないんだけど、
尚泰久王、百十踏揚、鬼大城、
ついでに尚宣威王(※金丸の弟で金丸の次の王様)など、
このブログでもおなじみの琉球偉人達にゆかりのある由緒あるグスクなんですよー!

もっともっと光を当てたいグスクです。

ということで、会場ロビーでは越来グスク発掘調査を中心とした
パネル展示もありました。

 

では、綾庭の宴公演の前に行われた、
肝高の阿麻和利ショートバージョンのレビューは次記事で。

 

つづく

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