(本日2投目)
本土向けのタイトルは「真夏の夜の夢」
その原作本、というか原案本を読みました。
前から実家にあったんだけど
映画を見ていたので本は別に読んでなくて。
この間、何気なく開いてみたら飛び込んできた
毎度おなじみの固有名詞。
百登踏揚!
(※この本では百十じゃなくて百登)
阿麻和利!
鬼大城!
…へ!?
映画ではそんなのぜんっぜん関係なかったけど!?
というわけで、さっそく読んでみた!
うん。
これは物語としては映画とは全く別物ですな。
設定とかが一緒ってくらい。
でもだからこそ(琉球歴女としては)面白かったですよ(笑)
百登踏揚を中心に歴史上の色々な人物、出来事がでてくるんだけど
あくまでそれらをモデルにした奇想天外物語です。
だって、古琉球の歴史ものと思いきや、
宇宙から世界の妖精からシェイクスピアまで出てくる。
奇想天外っていう言葉がピッタリ。
でもラストのシェイクスピアやパック、ゆり子のくだりは
ちょっと「にやり」ってしたよ。
なるほど、そうきたか~って。
で、「真夏の世の夢」と言えば媚薬(恋の花の汁)ですが
もちろんこの本でも出てきます。
そして大変なことになります。
な、なんと鬼大城が!!
是非、読んでみてください(笑)
最後に、幼少の百登踏揚(マカルー)が
主人公のキジムン「マジルー」と仲良くなり、
別れる時のシーンを。
(青→マジルー、赤→百登踏揚)
「あ、母ちゃんだ。マジルー、また遊ぼうね」
「本当か」
「本当さ」
「大人になっても、オレ様のこと忘れんでよ」
「あったりまえさー」
「さよなら」
「さよおならがプー」
(P51-52)
ももちゃん!!(笑)
この百登、なかなかいい味出してます。
王女っていうよりは、村娘みたい。
「首里の家ではよ、私はお姫様だわけさ。
でよ、私が14歳になった時に、婚約させられたのさぁ。
相手がよ、勝連城の阿麻和利、乱暴で有名な人さ。
私は見たこともない人と結婚するのさ。
お父さんの国を守るためには仕方ないわけよ」
(P60)
さて、あとは読んでのお楽しみ。
『さんかく山のマジルー 真夏の夜の夢』
(中江裕司著/ポプラ文庫)