(前記事の続き)
現代版組踊ガサシワカチャラ
公演レビュー、後編です。
主人公格のワカチャラとお父ちゃん以外を書くと、
キンマムン(キンマモン=君真物)託宣のあとの
正妃、長男、次男、お父ちゃんらのシーンが良かったですね。
ワカチャラが民に嬉々と迎えられ
堂々とビジョンを語るシーンなのですが、
ここで見るべきは
絶対正妃と兄貴と父ちゃんたちだ!
と背景にいる彼らを凝視してました。
嫉妬と怒りをあらわにする正妃(と兄貴)と、
実に複雑な心境を魅せるお父ちゃんが良かったですねー。
それぞれ啖呵をきって退場するも、
最後に残ったお父ちゃんの複雑な笑顔と
ワカチャラを励ます姿にキュン
兄貴たちはいい塩梅のサブキャラで、
ガンガン攻める正妃とのバランスがgoodでした。
正妃ちゃん、かわいい顔して
いいスパイスふりまいてくれてましたねー。
キツイ顔や化粧ではないのに、
声もかわいいし張ってる感じはないのに、
態度は高飛車でキツイ。
ワタシのオギヤカの理想です(笑)
そしてまぁ、カラジが似合う事!
横顔の骨格が私の好みど真ん中でほれぼれしました。
↑マニアック
終演後、退場するときに
憎んでいた真牛の自ら手をつかんで降りていくの、
(そして下でフン!って手を振り払い、
困り笑いで後をついていく真牛)
めっちゃかわいくて良かったです!
神女のオトチコバラは
久米島が誇る由緒正しきノロ・君南風じゃダメなのかな?
と思ったけど、
君南風さんは現在も実在するし、
王府のアカハチ討伐に従軍した(首里派)ということで
物語の兼ね合いから難しかったのかな?
+ + +
そして、
お父ちゃんを息子討伐に追いやった黒幕
首里王府、尚真。
実際に尚真代に行われた
久米島討伐とリンクさせて。
となると、悪役は尚真となるわけですが
一応尚真側にも彼らなりの考えがあってのこと、
というフォローはあって。
尚真がワカチャラに同情する一面も。
現代版組踊シリーズで複数登場してる尚真。
例えばアカハチ、
鬼鷲、
尚円王回顧譚、
そして今回の舞台。
尚真という同じキャラクターが
舞台ごとに違うというのは
実はとっても面白くて深い。
ブログでも何度も繰り返し書いてますが
歴史の"事実(できごと)"はひとつであっても、
歴史の"真実"は解釈する人の数だけある。
同じ人物でも、見方によってはガラリと変わる。
だから、
歴史に触れるそれぞれが調べ考えて、
想像してみればいいと思うのです。
現代版組踊って
そんな楽しみ方も提供してくれているな、と。
「鬼鷲」と「北山の風」の相違もまた然り。
(前回の鬼鷲は特別だったけど、今度はどうかな…)
今回演じられた尚真の姿が、すべてではない。
王府による久米島討伐は実際に行われたけど、
その背後にある思惑や考えは
想像するしかないもんね。
それが歴史を楽しむ醍醐味だと思うのです。
+ + +
ちょっとだけ、
んん?と思ったのは
舞台冒頭の登場人物紹介。
ストーリーテーラーでもある
ワカチャラの実母・真牛が
舞台に居並ぶ主要キャラたちを紹介するのですが
昼公演で初めて見た時、
紹介された時に誰も微動だにしないので
ん??今言ってるの舞台上の誰??
ってなりました(^_^;)
人物にスポットライト当てるか、
設備上それが無理なら
言われたキャラが少し前に出るとか
胸を張るなどちょっとしたポーズをとるとか
あると分かりやすかったなーと思います。
最初はどれが誰だか分からないまま
流れていった感があるので。
もちろん物語が進んでいけば分かるし、
観劇2回目からはスッキリなんですけどねー(^_^;)
堂の比屋なんかもね、
歴史とは違った立ち位置だったので
(でも歴史上の寝返りエッセンスを
こういう感じで入れてくるのかーって唸ったけど)
幕開けの首里が攻めてるシーンなんかは
観劇2回目から味わえる演出かなー。
だから夜公演も見れることになってて
心底良かったと思いました。
尚真、辺土名、堂の比屋に関しては
あと数回観劇しないと本当の面白さというか
狙いと深さは分からない気がしてます。
という訳で次回はこの辺、
要チェックしたいと思います!
そうそう、人物紹介と言えば、
舞台衣装の変更、正解だと思います。
(今回から、で合ってるかな?)
最初の頃は向立てに組踊衣装で
護佐丸、阿麻和利そのまんまの衣装で
昔のちらしとか見ても思うけど
これじゃ舞台上でどれが誰だか分かりづらい。
実は初演の時からぼやてるんだけど
今回主役格が二人と知って、尚更そう感じました。
舞台は映像と違って
顔などをアップで見ることはないので
遠目に見た時のパッと見の印象、
つまり髪型や服飾や色って
登場人物を区別するのにかなり重要。
もちろん舞台立ち上げ最初の頃は
衣装も他チームから借りてやってただろうから、
しょうがないんだろうけどね。
主人公のワカチャラはハチマキに髭なし、
お父ちゃんはカタカシラに髭、
二人とも向立はなし。
今後も向立なし、に一票です
そのほうが本島とは違う
離島文化感も出ると思うし。
+ + +
ところで今回からガラリと変わったビジュアル戦略!
舞台タイトルも
カタカナ表記に一新!
メンバーさんが登場するチラシももちろん素敵ですが、
(背景は宇江城グスクと登武那覇グスクかな)
町の人たちを使った
皆が英雄みたいな、
このバージョンも好き!!
すごいセンス!
ナイスアイディア!
電通沖縄制作かな??
あれ、しかし、
だとすると向立は必要なのか…?
…あ、もしかして今回は女の子だからカタカシラ結えたけど
男の子だったらそれができないから向立必須とか…?
うーん、だとしたら向立は
ワカチャラかお父ちゃん
どちらか一人だけにする…とか。
ってゆーか、ワカチャラは若いから
(独身という所から言ってたぶん10代後半)
女の子が演じるのを定着させてもいいと思う。
お父ちゃんは男の子演者さんにするとしても。
のぼりがずらっと並べられた景色も
圧巻でした!
関連史跡の入り口とかに立てててもいいかも!
舞台を見て史跡巡る人も絶対いるし、
公演の前後1週間だけでも。
+ + +
というわけで、
つらつらと書いてきましたが
キリがないんで
そろそろ終わりにしようと思います。
12月には那覇のタイムスホールでの
公演が決定したとのこと!
前みたいに一般も観劇できるかな??
一般も可能なら
また是非見に行きたいと思います!
(今度はぎっくり腰にならないように気をつけて(笑))
またワカチャラやお父ちゃんに会えるのを
楽しみにしています
久米島メンバーの皆さん、
スタッフさん佐、保護者の皆様、
素敵な久米島歴史浪漫を
ありがとうございました!
追伸:
サントラCDも毎日聞いてます!
テーマソングサイコー