がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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金カブの構造

2018年05月14日 | ・琉球/沖縄、徒然日記


首里城再現儀式「百人御物参」より

 

 琉球の神女・ノロさんたちが頭に差している簪を
「金カブ(キンカブ)」と言います。

王国時代のものがいくつか残っていて
博物館などで実物を見ることができるのですが、

この金カブ、よーーーーく見ると
頭の丸い部分に穴が開いているんですね。

そして、モノによってはそこから針金のようなものが
ぴょこっと飛び出た状態のものも…。
嵐山昌さんのツイートで気づかされました)

 

…なんだこれは!?

 

おそらく茎と呼ばれる棒部分とくっつけるための
構造上のなにかだろう…けど

どういうこと???

 

いや…でも茎の根元に
針金をぐるぐるして固定している様子は見られない…

 

 


いや、でもこれではしっかりとは固定できないだろう…。

そんなこんなで金カブの構造にアンテナを立てたまま
しばらくの時が過ぎたある日…

『首里城研究 No5』に収録されている
「金属文化の素描~神女の簪について(1)~」(粟国恭子)に
構造上の記述を発見!


それらを参考に更に分解して絵にしてみたのがこちら。

 

 

※針金の長さなどは分かりやすく図解するために誇張しています。

 

つまり、

巻き付けて、引っ張って、はめる

ということらしい。

 

また、お気づきのように金カブの中は空洞です。

私は持ったことはないのですが
見た目の印象よりはだいぶ軽いようですね。

 

 

金カブを前から挿すか、後ろから挿すか、
というのは色々説がありますが

空洞で軽いのであれば
後ろから挿しても落ちないですね。

(でも私は見た目のバランス的に前から派。↑モデル:百十踏揚)


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