がじゅまるの樹の下で。

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中城城「再現」計画

2019年07月06日 | ・琉球歴史/文化風景

 

 

画像↑の新聞記事の見出しを見て、

「えっ!!??!!!Σ

ってなった方、

ご安心ください(笑)、

60年前の話です。

 

 

今日は、復帰前、中城グスク(建物)再現の計画があったという話。

 

 

中城グスクの再現って、首里城みたいに?
それっていいじゃん♪

 

と思うでしょ?

 

その築城プランと言うものがこうです。

 

●大きな観光資源として、沖縄の観光事業振興に寄与するのがねらいである。

 

ふむふむ。

 

●中城公園は自然環境に恵まれ、
完全に残された古城が強みで、観光地としては最適の条件である。

 

ふむふむ。

 

●本丸(一の郭)からの展望が特によく、
東海岸、西海岸、慶良間列島、遠くは国頭の連山も良く見える

 

うん、そうだね。

 

●…ので、本丸跡に5階建ての中城城を再現して

 

…ん!?

 

●屋上には展望台を設ければ更に眺めはよくなり、
本島全体が展望できるので沖縄名物になること間違いなし!

 

いやいやいやいやいや!!

 

●(建物の)設計は文化財保護委員会の研究によって
努めて中城城をそのまま再現したい!

 

5階建ての時点でそれはもう中城城じゃないし(汗)

 

5階建てって…絶対本土の天守閣を備えた城をイメージしてるよね…。
(記事内の城の写真は"築城ブームで再建された彦根城"と…)

その頃本土では築城ブームだったらしく
この中城城の「再現」計画も
必ずブームを巻き起こすだろう、と
陸運課観光課係職員は賛同していた、とのこと。

 

この計画を打ち出したのが
高良一氏。

 

はい、中城高原ホテル(廃墟ホテル)の創立者です。 

 

文化財保護委員会の許可が下りれば
すぐにでも着工したいと自信満々。

計画通り実行するために、最悪の場合は
重要文化財の指定解除もやむなし!
と強硬姿勢だった高良氏。

 


この件は観光(経済)か、史跡保護か、と
大きな論争が繰り広げられたらしいのですが、

結局、一の郭へのトンデモ中城城の建設はなくなり、
時を移して作られたのが、

あの中城高原ホテル

ということになります。

そして、その後の結末は、皆様ご存知の通りであります。

 

参/『写真が語る護佐丸の居城―中城城跡とその周辺』(中城村教育委員会/平成16)

 

 

観光と、文化財の保護と、活用と。


何に価値を置くのか、

何が大切なのか、

何が求められているのか、

これからも考えていかないといけない大切な視点です。


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