がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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リテイク版・金丸

2021年07月03日 | ・琉球史散策/第一尚氏

 

琉球戦国列伝リテイクシリーズ
金丸(かなまる)。

 

どういう人かまとめると…

 

伊是名島の農民

島を脱出して沖縄本島を放浪

王子(尚泰久)に見いだされ仕える

王子が国王になる

王府の役人としてどんどん出世

役人を引退

クーデター

周りから国王に推挙

王位に就く(第二尚氏)

 

という人です。

 

非凡さを表すために
私の金丸は左利き設定♡

 

女性遍歴も多きモテモテの美青年
というのは今回はあまり前面に出さずに、
役人時代の金丸を。

 

服飾作画については
実はこれが今までで1番苦労しました

 

今に見ることができる琉装の着物とは違う、
古琉球らしいゆったりとした着物感を出すために
襟の開き具合とか、
袖の長さとか、
帯とのバランスとか、
全体のシルエットとか、
描いたり消したりの繰り返しで…

 

1回完成させて、もう一度まるまる描き直したり。
よし今度こそ完成!となってから、大きな路線変更があったり。
(なので金丸は完成しているデータがほかに2体あります)

今回ひとまず「完成」にしてアップしましたが、
もしかしたら1か月後、2か月後に見たら
また直したくなってたりして…(^^;)

 

ハチマチは、現在見ることができるような箱型被り物ではなく
当時は1枚の布をぐるぐる巻きつけたターバン形式。

ここでは琉球に漂流した朝鮮人の目撃記録の、

 

「男女頂辺に椎髻し、帛(きぬ)を以て之をつつむ
…(中略)…その守令、
班染の繪を用て髻をつつみ白細苧布の衣を着し、
紅染の帛を帯ぶ」

 

から取って、カタカシラは耳横ではなく、
ハチマチの中(頂辺)ということにしています。

…アングル的に見えないけどね。

 

そしてターバンは織ではなく染。
その色や模様は不明だけど
高官である黄冠をベースに。

 

そして衣は白に赤い帯。

 

オーソドックスな王府役人の黒朝衣を
白(きなり系)にするだけで
印象がガラリとかわりました。

これまで下っ端役人に白系を着させるのは
ドラマ『テンペスト』『尚巴志』をなどにあったのですが、
守令(=朝鮮王朝の地方官のこと)という
そこそこ高い地位の役人に着させているビジュアルは
無かった…はず!(部屋着・寝間着・下着・葬儀とかは別として)

 

いかがでしょうか?

 

 

 

<オマケ>

 

ところで、この証言記述の「男女」っていうの
気になりません?

男子はいいとして、
女子もターバンをしていた…!?

もしかして、この女子というのはノロさんで、
「帛(きぬ)を以て之をつつむ」というのは

ノロさんがしている白ハチマキなのかもしれません。

この一文の後ろの記述には
「婦人…皆白苧布の衫、白苧布の裳を着る。或いは白苧布の長衣を期す…」
とあり、白装束なのがわかります。

朝鮮の証言者らは
ノロさんたちの拝み巡礼を目撃したのかもしれませんね。


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