有坂正三『包青天奇案 中国版・大岡越前の物語』(文芸社、2006年12月)
有坂正三『狄仁傑の不思議な事件簿 簡約版・『狄公案』』(文芸社、2007年12月)
『狄仁傑~』は先日の大幇会で上京したおりに入手し、『包青天~』の方もその後でAmazonで購入。
『包青天~』の方は『龍図公案』など一連の包青天物語を翻訳したものですが、著者自身が中華圏のテレビドラマ『包青天』や『少年包青天』を見て包拯に興味を持つようになったと言うだけあって、ドラマでも取り上げられているエピソードをチョイスしたという、至れり尽くせりの構成となっています(^^;)
個人的に興味を持ったエピソードは、「狸猫換太子」の元ネタ「桑林鎮」と、「 玉面猫」・「獅児巷」です。北宋の仁宗が生まれた時に猫と取り替えられるという話は後から出来たもので、元々は女児と取り替えられるという話だったんですね。
「玉面猫」は五匹の鼠の霊が悪さをして包拯らを困らせ、最後は包拯が天上の玉面猫を借りてきて鼠の精を退治するという話ですが、この話に登場する五匹の鼠と玉面猫がそれぞれ『三侠五義』の五鼠と「御猫」展昭のルーツになったのではないかとのこと。で、最後の「獅児巷」は何と八仙の一人曹国舅の誕生秘話になっています(^^;) ドラマ『包青天』や古典小説の『三侠五義』に興味がある人には必読の書だと思います。
『狄仁傑~』の方は清末の公案小説『狄公案』の内容を三分の一程度に縮めた簡訳ということですが、前半は『包青天』の劣化コピーのような話が続き(言うなれば展昭と白玉堂が登場しない『包青天』……)、後半は狄仁傑が武則天統治下の朝廷を綱紀粛正を図っていくストーリーになっています。
有坂正三『狄仁傑の不思議な事件簿 簡約版・『狄公案』』(文芸社、2007年12月)
『狄仁傑~』は先日の大幇会で上京したおりに入手し、『包青天~』の方もその後でAmazonで購入。
『包青天~』の方は『龍図公案』など一連の包青天物語を翻訳したものですが、著者自身が中華圏のテレビドラマ『包青天』や『少年包青天』を見て包拯に興味を持つようになったと言うだけあって、ドラマでも取り上げられているエピソードをチョイスしたという、至れり尽くせりの構成となっています(^^;)
個人的に興味を持ったエピソードは、「狸猫換太子」の元ネタ「桑林鎮」と、「 玉面猫」・「獅児巷」です。北宋の仁宗が生まれた時に猫と取り替えられるという話は後から出来たもので、元々は女児と取り替えられるという話だったんですね。
「玉面猫」は五匹の鼠の霊が悪さをして包拯らを困らせ、最後は包拯が天上の玉面猫を借りてきて鼠の精を退治するという話ですが、この話に登場する五匹の鼠と玉面猫がそれぞれ『三侠五義』の五鼠と「御猫」展昭のルーツになったのではないかとのこと。で、最後の「獅児巷」は何と八仙の一人曹国舅の誕生秘話になっています(^^;) ドラマ『包青天』や古典小説の『三侠五義』に興味がある人には必読の書だと思います。
『狄仁傑~』の方は清末の公案小説『狄公案』の内容を三分の一程度に縮めた簡訳ということですが、前半は『包青天』の劣化コピーのような話が続き(言うなれば展昭と白玉堂が登場しない『包青天』……)、後半は狄仁傑が武則天統治下の朝廷を綱紀粛正を図っていくストーリーになっています。