なぜだかわからなかったが、
昔からポールの曲にも、ポールの歌声にも、ポールという人間自体にも興味が湧かなかった。
まあ、今でも正確なところはよくわからないんだが。(苦笑)
とにかく曲にしろ生き方にしろ「うまくまとめげてる」印象が強く、
「耳あたりのいい」ところだけを抽出して「毒気」がまったくない感じで、底が浅い雰囲気がしてた。
顔つきもいかにも「アイドル面」してるし、ね。
でも、実はジョンよりも早くに母親を亡くしており、(ポール14歳のとき癌のため他界)
傷つき方はジョンに勝るとも劣らないような育ち方をしてるらしい。
この「レット・イット・ビー」という曲も「聖母マリアを登場させてるだけ」の当たり障りの無い癒しの歌だと思ってたら
実は、自分の母親(「マリア」という名前だった)をイメージしてたとのこと。
そういう意味でこの曲を聴きなおすと
不思議なことに、なんだかポールのあまり聞くことのできない「苦悩」というか、「本心」というか、そういうものが感じとれるような気がするではないか。
もうちょっと自分の気持ちを爆発させてもいいんじゃないかと思うんだが
まあ、これがポールというキャラクターなんだろう。
「Let It Be」
自分自身の中に トラブルを見出してしまったとき
「母なるマリア」がボクを訪れ
アドバイスの言葉をささやいてくれる
「なるがままに」と
暗闇の中に沈んでいるところに
彼女は光とともに立っていて
徳のある言葉を語ってくれる
「なすがままに」と
*なるがままに・・・ なすがままに・・・
知恵のある言葉をささやいてくれる
「なるようになる」と
世界中のうちひしがれた人たちのための
答えがここにある
「なるがままに」
今はたとえバラバラでも
きっと理解りあえる機会が訪れるさ
そのための言葉があるんだ
「なすがままに」
*くりかえし
夜空が曇っているときでも
光が差し込み、それが明日に続いていく
そういう言葉がある
「なるがままに」
音楽の音で目が覚めると
そこに「母なるマリア」がやってきて
徳のある言葉を投げかけてくれる
「なすがままに」と
*くりかえし
この頃のビートルズは、なぜかポールの意思に反してうまくことが運ばなくなっており
この曲はオブラートに包みながらもそのときのポール自身の苦悩が歌われてる気がする。
しかし・・・
それにしてもここまでオブラートに包んじゃうのはやっぱりやりすぎなんじゃないかと思うんだが
最も売れるためには、そんなことよりも「聴き障りの良さ」が大事だったりするんだろうなあ。
というわけで
やはり、そこまで共感できないから
どうしてもイラストも手抜きになってしまうのであった。