約3年前にカムバックした時、「今回は何か今までと違うことを盛り込んで遊ぼう!」と決めて始めたことに、“使用周波数対応した長さの同軸ケーブルの製作”がある。
ところが、あまり一般的でないからなのか?このケーブルのしっくり来る呼称を書籍やネットで見つけることが出来なかったので、当BLOGでは“○○MHz帯用アンテナチェック同軸ケーブル”や、単に“チェックケーブル”などと勝手に呼んでいる。(←もしも一般的な呼び方があれば、是非とも教えてください!)
そして、これまでは3.5、7、10、14、18、21、50MHzの各バンド用のケーブルを製作してきたが、24と28MHz用がずっと未着手だったので、今回は24MHz用のアンテナチェック同軸ケーブルを製作していく。
まずは長さの計算。ねらい周波数(ボトムインピーダンス周波数)=24.950MHzとして、過去記事に挙げた計算式で計算。その結果、同軸ケーブルの理論長さ=4028mmとなった。そして理由は不明だが、実際のケーブル長さは理論値より短くなる傾向であるため、今回は4000mmに切り出してスタートとした。
次にカット&トライ。これまでの各バンド用の実績を踏まえると50~100mmくらい短くなると見立て、周波数の変化を踏まえて4000mmから3900mmまでの間を10mmピッチでマーキング。これに沿って10mmずつカット~短絡~アンテナアナライザーで測定~結果の記録(Excelに入力)を繰り返し、L=3940mmでボトムインピーダンス周波数=25.049MHzになり、ここでMJ-Lコネクターをハンダ付けした。
最後の作業は、ボトムインピーダンス周波数の測定&算出。MJ-Lコネクターをケーブル長さ30mm相当(←実測値)とし、これにケーブル長さ8mm相当(←これも実測値)の短絡MPコネクターを取り付けて測定。今回もUP写真のように、ボトムインピーダンス≒0Ωにはならなかったが、以前の測定値よりは針の振れ方が少ない気がする。気のせいかもしれんけど。まぁ少なくとも以前より悪くはなっていないということで、測定および計算の結果は以下のとおり。
・測定する同軸ケーブルの長さ
=ケーブル本体の長さ + MJコネクター長さ + 短絡MPコネクター長さ
=3940+30+8
=3978[mm]
アンテナアナライザーの文字盤目盛りに合わせて間接測定
・インピーダンス12.5Ω時の上側周波数=26.589[MHz]
・インピーダンス12.5Ω時の下側周波数=22.866[MHz]
↓
・上下各周波数の平均値(=3978[mm]時のボトムインピーダンス周波数とする)
=(26.589+22.866)/2
=24.728[MHz]
短絡MPコネクター長さ分を比例的に取り除く
・長さ3940[mm]時のボトムインピーダンス周波数=25.049[MHz]
・長さ3978[mm]時のボトムインピーダンス周波数=24.728[MHz]
↓
・長さ3970[mm]時のボトムインピーダンス周波数
=24.728+(25.049-24.728)×{8/(30+8)}
=24.728+0.321×(8/38)
=24.728+0.068
=24.796 [MHz]
と言うことで、これは周波数が低くなったので失敗。
-・・・-
でも幸いにも修正が効く方向の失敗なので、カット&トライ時の周波数の変化量を踏まえて本来詰めるべき長さを試算。その結果、「現状のMJ-Lコネクターのキワで切り落として、再びMJ-Lコネクターを取り付ければ何とかなりそうだ。」と判断し即実行。数値で言えば、23mmカットしてケーブル本体長さは3917mmとなり、周波数測定および計算の結果は以下のとおり。
・測定する同軸ケーブルの長さ
=ケーブル本体の長さ + MJコネクター長さ + 短絡MPコネクター長さ
=3917+30+8
=3955[mm]
アンテナアナライザーの文字盤目盛りに合わせて間接測定
・インピーダンス12.5Ω時の上側周波数=26.781[MHz]
・インピーダンス12.5Ω時の下側周波数=23.013[MHz]
↓
・上下各周波数の平均値(=3978[mm]時のボトムインピーダンス周波数とする)
=(26.781+23.013)/2
=24.897[MHz](←UP写真はこれ。)
短絡MPコネクター長さ分を比例的に取り除く
・長さ3917[mm]時のボトムインピーダンス周波数=25.189[MHz]
・長さ3955[mm]時のボトムインピーダンス周波数=24.897[MHz]
↓
・長さ3970[mm]時のボトムインピーダンス周波数
=24.897+(25.189-24.897)×{8/(30+8)}
=24.897+0.292×(8/38)
=24.897+0.061
=24.958 [MHz]
と言うことで、ねらい値+8kHzまで寄せることができ、修正も何とか上手くいった。このケーブル、同じカット長さでも波長が短くなると周波数の変化量が大きくなる傾向なので、少し高めの周波数かもしれないがバンド幅100kHzに納まってくれただけでもOKとしたい。自己満足に浸らせていただきます。(笑)
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