今回は第2部として、スギノアカネトラカミキリ(以下、アカネ)の生態について。
一言で生態と言っても、複雑というか、奥が深いというか、色々あって、ネタがつきません。
そこで、生態については生活史・成虫の脱出・交尾と産卵・訪花・幼虫の坑道、5つの構成で情報を提供したいと思います。
今回は、第2部第1章生活史・・・ライフスタイルについて。
アカネが加害する樹種は、スギ、ヒノキだけではありません。
サワラ、クロベ、アスナロ、ヒノキアスナロなどにも加害します。
一般的には2年で一世代。一世代に3年以上もかかるという報告もあります。
脱出した成虫の生存期間は約1ヶ月と言われています。
でわ、2年一世代のアカネの一生について。
成虫は4月頃、枯れ枝に脱出孔をあけて脱出します。
アカネは昼行性なので、昼間に行動し、夜間は行動しません。
脱出した成虫は、間もなく交尾を行い、枯れ枝に産卵します。
孵化した幼虫は、枯れ枝の樹皮下、木部の順に喰い進み、樹幹に到達すると樹幹の木部に潜り込みます。
樹幹内部で1年目の冬を過ごし、翌年の春~夏にかけて老熟幼虫になります。
この頃には、元の枯れ枝か近くの枯れ枝に戻ります。
樹幹と枯れ枝を行き来しながら食害し、枯れ枝に蛹室を作り、8月末から蛹になって、10月に成虫になります。
と、言葉で書いても分かりにくいので、図にしました。
ちなみに、一般的に蛹は枯枝内とされていますが、調査をしてみると、幹内でも蛹や成虫が見つかっています。
なので、必ずしも枯枝内に蛹や成虫がいるとは限りません。