春になると、樹木たちが新しい葉っぱを出し、新しい1年を迎える準備を進めています。
(サカキ)
普通、樹木の葉って緑色。
だけど、観察してみると、新しい葉っぱの色が赤色が多い。ということに気づきます。
(アラカシ)
なぜ、春に出した新しい葉っぱが赤いのか?
樹木は光・二酸化炭素・水を使って、無機物から有機物を生み出す「光合成」を行っています。
光合成に使われる光は、可視光(人が見える光)と言われる赤色光・青色光・緑色光の3種類。
このうち、吸収する効率が最も悪い光が緑色光なので、緑色が反射し、葉が緑色に見える。と言われています。
ということは、春の新しい葉っぱは、赤色光を吸収する効率が悪い?...というわけではありません (^_^;) 。
光には、可視光以外に、人の目には見えない赤外線と紫外線が含まれています。
このうち、紫外線は光合成を阻害し、葉の細胞(葉緑体/クロロフィル)に障害を与えます。
障害を与える紫外線から葉の細胞を守るため、紫外線を吸収してくれるアントシアン(フラボノイド)を合成します。
葉が赤色に見えるのは、合成されたアントシアン(フラボノイド)によるものです。
紫外線から葉の細胞(葉緑体/クロロフィル)を守るクチクラ層などが作られると、葉の色は、赤色から緑色に変わっていきます。
アラカシ、シイノキ、サカキ、カナメモチ、ウバメガシなど常緑広葉樹だけでなく、落葉広葉樹でも同じ現象が起こっています。
(タムシバ)
紫外線は私たち人間のお肌にも良くないように、樹木にとっても障害を与えています。
この季節(春)、葉が赤い樹木を見つけたら、紫外線と戦っているんだなー、と観察してみて下さい。
(タブノキ)