前回、架線集材について触れたので、詳しく?説明したいと思います。
といっても、一般的な「エンドレスタイラー」くらいしか説明できませんが・・・。
まず、架線集材を簡単に説明しますと、ワイヤロープを空中に張って、集材機を使って材を搬出する方法で、山の地形が険しい和歌山県では、今も使われている林業技術の1つです。
このような現場を見ると、「自然破壊だ」と思われる方もいらっしゃると思います
しかし、「木材を使わない」というのも、個人的には自然破壊の1つだと考えています。
木を使わないと、全ての材料を鉄、コンクリート、プラスチックなどの石油製品に頼ることになり、単純に考えても、製造や廃棄という行為が自然に対して負荷が大きいと言えます。
もちろん、木を伐ると災害につながる可能性もあります。
そこで、伐ったら植える、それを徹底することで上手に自然と付き合うことが基本だと思っています。(地質や地形的など条件が悪いところも伐らない・・・も大切ですね)
今、林業の現場では、「環境に配慮」しながら、夏は炎天下の下、冬は凍えるような寒さの中で、頑張っていますので、応援して欲しいと思います。
さて、架線集材に欠かせない「ワイヤーロープ」。
どうやって、張っているのか?気になるところです。
実は、作業員さんが、山の地形を見て、張っています。
設計図とか一切ありません。
緻密な計算もありません。
測量して、地形を3次元化して、設計図を作ったりとか、そんなデジタル的な方法もありません。
地形を見て、山を見て、木を見て、現場にあった張り方を、その場で、頭の中で考えています。
張り方を間違えると、木が採れない上、2回も3回も張り直さないといけない、といった余計な手間が増えます。
張り替える回数が少なくかつ、1回の線張りで多くの材を搬出することができれば、コスト的に安くできるため、ミスは許されません。
まさに職人技
一応、安全基準や基本の設計図はあります。
ただし、その設計図がすべての現場に適用できるわけではありません。
おそらく、基本といえる設計図は、これまで行われた架線集材技術の積み上げと発生した事故などの経験を蓄積して作られたと思います。
【②につづく・・・】
※本記事は、以前に掲載したものを修正し、改めて掲載したものです。
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