「目的」と「目標」/「問題」と「課題」。
事業を進めたり、計画を立てるとき、何気なく使う言葉です。
「目的は何かな?はっきりしないなー」
「もう少し具体的な目標を立ててよ。数値も取り入れて。」
「こういう問題もあるんじゃないの?」
みたいな感じで・・・・。
こうした会話の中で使われる「目的」、「目標」、「問題」、「課題」という言葉の意味や理解を他者に対して、正しく説明することが出来ますか?
” それでは、「目的と目標の違い」と「問題と課題の違い」について、部下の方に説明してください。” と言われたら、自信をもって、説明することが出来ますか?
これが、今回お話するテーマです
先日、奈良県フォレスターアカデミーにおいて「リーダーシップの理論と実践」をテーマにした講義を5日間行い、初日の授業、一発目に「目的と目標の違い」と「問題と課題の違い」を説明するというグループワークを行っていただきました。
その時、生徒さんたちが説明したものが、こちらです。
「目的と目標」
「問題と課題」
ここで重要になってくるのが、それぞれが「目的」、「目標」、「問題」、「課題」の 認識にズレ があるということです。
言葉としては、なんとなく理解しているけど、全員が同じ答えになっていない、つまり、認識に違いがあるということです。
リーダーとは、「 チームの目標達成や課題解決に向けてのかじ取りを行う人物 」のことです。
リーダーを筆頭にチームメンバーそれぞれが、目的・目標・問題・課題という言葉に対し、同じ認識を持っていないと、チームとして統率された行動をとることが出来ません。
そこで共通認識を持っていただくため、「目的と目標の違い」と「問題と課題の違い」をしっかりと理解したもらうため、初日にグループワークを行いました。
では、「目的と目標の違い」と「問題と課題の違い」とは何か。
「目的」=最終的に到達したい、成し遂げたいゴール地点
「目標」=目的(ゴール)に到達するまでの指標、目的を達成するために設定された具体的な手段
目的は何を実現したいのか、目標は実現するために具体的にどうするのか、ということです。
目的が明確になっていないと、本質とは違うことに固執してしまい、数値目標だけを追いかけたり、手段が目的になったりしてしまい、ゴールを見失ってしまいます。
ゴールを見失った状態で、数値目標を達成しても、達成感は得られません。
なぜなら、目的を果たせていない・ゴールに辿り着いていないからです。
「問題」=現状と目標(理想)との間にあるギャップのこと、目標達成のために、解決しなければならない事柄
「課題」=目標と現状とのギャップを埋めるためにやるべきこと、 問題を解決するために起こす具体的なアクション
ここで大事なことは、問題は、現状と目標(理想)との間にギャップがあるから問題である ということ。
現状に対し、特に理想がなければ、ギャップがないので、問題は生まれません。
人それぞれ、現状に対する理想は違います。
現状に満足している人は、理想がないので、問題があると感じません。
現状に不満を抱いている人は、理想があるので、そのギャップから問題があると感じます。
よく、「問題意識が足りない」という風に言う方もおられますが、そもそも現状と理想にギャップがないのだから、問題として感じていないことは至極当然なので、問題意識が足りないとか問題意識が低いという風に相手を責めることはナンセンスです。
自分と相手の理想が違うので、問題という着眼点も異なります。
まずは、目的を明確にし、具体的な目標を設定し、これを共通認識にしないと問題も共通認識になりません。
そして、その問題を解決するための具体的なアクションが課題です。
1つの問題に対し、課題が複数存在することもあるため、すべての課題を解決しないと、問題は解決されません。
課題というアクションを起こしたけど、問題が解決できなかった。という経験があったとしたら、それは、解決できていない課題があったのかもしれません。
目的があるから、目標を立てることが出来ます。
目標があるから、問題が生まれます。
その問題を解決するためのアクションが課題です。
目的と目標と問題と課題は繋がっているということです。
この点をしっかりと理解し、他者も同じように理解できるように説明する力を身につけることが、リーダーとしてチームをまとめる第一歩ではないでしょうか。
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