野生動物による造林の被害と言えば「ニホンジカ」による被害を真っ先に思い浮かべますが、1950~70年代にかけて行われた拡大造林の時代は、ニホンジカによる被害はなく、ノネズミとノウサギによる被害が大半でした。
そして、近年、皆伐が進み、再造林が重要視される時期を迎えているわけですが、昔の拡大造林と同じように、この先、ノネズミやノウサギによる被害が増える可能性は十分にあります。
何より、昔と違い、ニホンジカの被害も加わるので、拡大造林時代以上の獣害に悩むことになると思います。
とは言え、それが今を生きる我々に課せられた課題なので、1つの事実として、受け入れ、乗り越えていくしかないかなと思います。
ちなみに、昔、ノウサギ対策でキツネを放った例がありますが、一応、失敗に終わっています。
キツネはノウサギを襲わず、民家で飼育しているニワトリを襲い、結果的に、ノウサギの被害は大幅に減少することはなく、キツネの被害が増えた。というわけです。
正確には、キツネによってノウサギ被害は減少したかもしれないけど、人間の生産活動においては、実感できるほどの効果は出なかった。ですかね。
ノウサギ被害が減少したという実感がわかないまま、ニワトリの被害を大いに実感してしまっては、元も子もないのかな。
同じ事を繰り返さないためにも、安易に「キツネを放つ」という方法は採用しないでほしいです。
近年、森林保護分野において、森林生態系を活かした被害対策という考え方も進められています。
もちろん、大切なことですが、そのためには、森林生態系をしっかりと理解し、認識しないといけません。
天敵動物とか食物連鎖とか、そういうシンプルなものではなく。
特に、人間の生産活動や日常生活と関わりある森林では、そうそう単純な話ではない。。。
例えば、田舎に移住した方達の中には、ニワトリを飼育している方もいますし、養鶏で生計を立てている方もいるので。
(我が家もニワトリを飼育してました。ハクビシンに襲われて、鶏ガラみたいな形の骨と足だけを残されたけど・・・)
ノウサギによる造林木への被害は「葉の摂食」と「樹皮の剥皮」です。
先日、とある造林地に赴くと、ノウサギによる剥皮被害が・・・
3年生を迎え、順調に育っていたのに・・・・。
あと、ノウサギとの接触により発生する「野兎病」。
ノウサギが増えて、造林木への被害だけでなく、感染症被害も増えたら、ホントに嫌だな。。。
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