6月8日から10日までの3日間にわたり、「リーダーシップの理論と実践」をテーマに講義をさせていただきました。
リーダーとか、リーダーシップとかという言葉を聞くと、それぞれイメージを持たれるかと思いますが、先天的な素質がないとリーダーになれないというわけではありません。
リーダーシップには、「目的を設定する能力」、「コミュニケーション能力」、「課題の発見と解決する能力」、「責任をとる力」という4つの能力が求められます。
しかし、これら能力は後天的に身につけることが出来るので、誰でもリーダーシップを取れることが出来るということです。
そして、リーダーには、実行力で引っ張るリーダー、行動力で引っ張るリーダー、調和力で人をまとめるリーダーとタイプは実に様々です。
と言うわけで、今回の授業は、主に次の4つを学んでいただきたく、授業をさせていただきました。
①「目的と目標の違い」と「問題と課題の違い」を理解すること。
②樹木や森林の生態、樹木生理学、森林科学、造林学などの基本的知識を集約し、柔軟な発想と応用力を身につけること。
③合意形成など人が行動したくなる感情を理解すること。
④人が行動したくなるプレゼンテーションの作成を経験すること。
特に目的は明確に持っておかないと、目標達成が目的になって、迷走してしまいます。
目標達成が目的になる...いわゆる「手段が目的になる」という迷走です。
目標達成が目的になってしまった場合、目標を達成できても、達成感はありません。
なぜなら、一切の目的が達成できていないから。
では、目的って何なのか。目標って何なのか。
それをしっかりと理解する必要があります。
その上で、問題と課題の違いも理解する必要があります。
問題と課題がごっちゃごちゃになると、何も解決出来ません。
仮に、課題が解決出来ても、問題は解決出来ません。
なぜなら、何が問題なのか。それに対して、課題が何なのか、を理解しないまま、取り組んでしまっているから...。
そして、現状と問題がごっちゃごちゃになっている場合もあります。
ここの整理も出来ていないと、正しく現状把握が出来ていない。ということになります。
そんな話を織り交ぜながら、生徒の皆さんには、3日間、頑張っていただきました。
最終日は、長期的な視野に立った森林管理プランの提案づくり。
そして、6月16日に、奈良県職員の方を前にプレゼン。
森林管理プランと森林施業プランの違いが掴めないので、提案づくりにも悩んでいました。
森林施業プランは、予算があって、その中でプロジェクトを実行します。
森林管理プランは、目標とする森林に向かって、いつ、何をするかを体系化したものです。
これがないと、資金計画、準備資金、ポートフォリオなどが定まりません。
計画の進捗管理も、森林管理プランがあって、成立します。
施業プランは、実行プランなので、実行の進捗管理にとどまります。
そして、森林管理プランとビジョン・構想は、全くの別物です。
ビジョン・構想があり、そのビジョン・構想を実現可能な形にするための具体的なプランが森林管理プラン。
そのプランに基づき、森林施業プランを立て、実行する。
それを長期にわたり、実行することで、ビジョン・構想が現実の物になる。
ということを理解していただきたく、3日間の授業を経て、プレゼン発表に臨んでいただきます。
結構、面白いプランが出ていたので、発表当日が非常に楽しみです。
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