量り売りのデリを使うと気になることがある。
よく、ちょっとだけ戻すのだ。
200グラム、という具合の量を指定して買う。
それに合わせて盛ってくれるわけだが、
人間がやるので、当然のことながら多少の誤差が出る。
たとえば、210グラムとなる。
たかが10グラム、値段はその分だけ加算されるがたいした金額ではない。
それでかまわないと思うのだが、オーバーした分を戻す。
10グラムなんて、サラダであればほんのひと口程度だ。
だけど律儀に戻す。
指定されたグラム数を下回るのはかまないが、
オーバーするのは絶対に行けない、
そうマニュアル化されているのようだ。
オーバーしていると文句を言う客がいるのだろう、おそらく。
「196グラムですけど、よろしいですか」
たいていの場合、指定した量よりわずかに少ない量に落ち着く。
それで不服があるわけではないが、
一度盛ったものをほんの少しだけ戻す、
その様子がなんとも哀しい気がしてしまうのだ。