抜栓と教訓

2020年09月02日 10時24分00秒 | コメディのかけら
僕はシャンパン、スパークリングワイン、カヴァ、
といった類の酒の栓を抜くのが苦手だ。
いや、苦手というか、あまり好きではない。
なので、他に開けてくれる人がいるならば、お任せする。

この件に関して、家人が言っていたことで、
ああ、なるほどと思ったのは、
この手の抜栓が苦手なのは恐怖心があるからであり、
その恐怖心はどこから来ているのか、
という話だ。

すべては幼少期にある。

僕が子どもの頃、
シャンパン、スパークリングワイン、カヴァの類を
大人たちが飲む機会はあまりなかったが、
それでもクリスマスには、
シャンパンや子ども向けのシャンメリーが飲まれた。

当時は威勢のいい音を立てながら抜栓するのが、主流だった。
そのため、抜けた栓が飛んでいくという事態が、
しばしば起きた。

だから、大人たちは子どもによく言ったものだ。

「危ないから気をつけろ。
 目に当たったら目が潰れるぞ」

大人たちは注意半分、
怯える子どもたちの姿を面白がって半分、
そんなふうによく言っていた。

昔は今以上に大人の言うことは怖かったし、
実際、僕も、妙なところへ飛んでいく栓を目撃した。

あの時の恐怖が今も払拭されていないのだ。

教訓。
面白半分で子どもを怖がらせてはいけません。