演劇とコロナ

2021年09月12日 09時47分39秒 | 新型コロナ
どんな業界業種でも、
新型コロナの感染者が発生すれば、
ダメージがある。
しかしその中でもダメージが大きいものとして、
僕の身近なものだと「演劇」がある。

公演期間中に感染者が出た場合、
その後の公演はほぼ中止になる。

稽古中に感染者が出た場合、
時期と役によっては代役を立てることもできるが、
感染者が出たのが公演の直前であったり、
複数出た場合、
公演が中止となることが多い。

だから出演者もスタッフも、
稽古場はもちろんのこと、
日頃から感染しないよう細心の注意を払っている。

それでも感染者が発生してしまう。

聞いた話だ。

ある芝居の稽古場では、
役者全員がマスクをつけたまま稽古をしていた。
演出家にとっても役者にとっても、
やりにくいこと極まりないが、
感染を防ぐためだった。

しかし、感染者が発生した。
しかも、出演者の中から複数。
明らかに稽古場で感染したのだ。
換気や消毒を心がけ、全員が不織布マスクを着用していた。
それでも感染した。
それがδ株だった。


SNSで公演初日を迎えた演劇関係者の喜びの声を見かける。
千秋楽を無事に終えることができた喜びの声を見かける。

今は、無事の初日の幕が上がることは、大げさではなく、
ちょっとした奇跡なのだと思う。
そして、千秋楽まで無事、公演を終えることができることも。

僕は単なる一観客に過ぎないが、
そんな事情に思いを寄せながら客席にいると、
劇場で芝居を観ることができる喜びを、
これまで以上に、大きく感じるのです。