草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

『ギャングエイジ』川端裕人:著

2011年08月17日 | おすすめ本

PTA関係でおなじみ、作家の川端裕人さんの新刊です。

本は意外に分厚く、読み応えがありました。
中盤からは、続きが気になるあまり、
ジェットコースターのように読んでしまいました。

  『ギャングエイジ
  著:川端裕人
  PHP研究所、2011年8月

ギャングエイジとは、Wikipediaによりますと
「排他的な遊び仲間を求める児童期のことを指す。」
そうです。

年頃は、ちょうど小学校3年生あたりから
思春期に入るまで。案外長いんですね。

* * * * * 

主人公のてるてる先生は、新卒採用された教師で、
勤務先の都合で、急遽赴任がきまりました。

なにもかも不慣れな中、受け持つのは微妙な年頃、
ギャングエイジの3年生。

しかも、 赴任早々、同じ3年生を受け持つ同僚から
こんな話を聞いてしまいます。

  「そう、今年度新3年生になる去年の2年生の担任も新採だった。
  けれど、学級崩壊を起こして、彼女自身が不登校になった。」

しかも、てるてる先生が急に採用された訳は、
3年生の受け持ちが決まっていた新採教諭が
新学期直前で、採用を辞退したからだ、ということです。

なんて厳しい状況!
どうするどうなる、てるてる先生!!

舞台は基本的に学校で、
てるてる先生と、3年2組の子どもたちを中心にして
お話が進みます…けれども。

それはもう、山あり谷あり事件あり。

川端さんの小説は、7冊くらい読みましたが、
どれをとってもディテールにこだわりがあり、
読んでいると、ビジュアルがありありと浮かんできます。

授業の描写など、非常に具体的で、
先生はこんな風に授業しているんだ!と
教師という職業を疑似体験しているようです。

そして、登場人物が、読んだ中では、一番多い小説です。
だって、3年2組は30人いるんですもの。
それに、いろんな人が、いろんな立場で関わってきます。
保護者、元PTA会長、地域の人々まで。
ネグレクト(虐待の一種)のエピソードまで入ってきます。

公立学校って、複雑なんだ~・・・。
社会の縮図が投影されているといっても
いいかもしれません。

そして、『PTA再活用論』 を著された川端さんのことです、
しっかり、PTAに関する描写が先生目線で
何カ所か入ってきます。

ああ、そんなことよりも。
熱意あるてるてる先生の頑張りや、カッコイイ校長先生、
なによりも子どもって良いな、と
人に対する希望を持てる、清々しい作品だと思います。 


PTAの義務化を考えている人たちがいる!?

2011年08月17日 | PTAについて考えてみる

拙ブログ

PTAの署名「PTAの入退会自由に関する要望書」700筆達成しました!

で「千葉市民」さんからコメントを戴きました。
今度来る


第59回日本PTA全国研究大会ひろしま大会

で「PTAの義務化」が提言され、報道される恐れがある、と。

その時は、まさか~!と思ったのですが、実はその裏には
れっきとした事実があったようです。

第58回日本PTA全国大会ちば大会 第一分科会

のレポートを見つけました。

http://www.acro-net.tv/takumi/takumi_pta.html

以下、該当部分を転写します。

***

2010年8月27・28日に千葉県で初の日本PTA全国研究大会が開催されました。そして我が市川市では27日に第1分科会として、全国から1000名を超えるPTA関係者を集め、「PTA組織・運営」をテーマに講演・事例発表・討議が開かれました。

私はメインイベントのパネルディスカッション(研究討議)のコーディネーターとして、司会進行を務めました。

この開催に向けて自分なりに1年間かけて考えてきたPTA組織・運営論。過去何年間も同じテーマで「如何にしたら参加率が上がるのだろうか?」と同じ討議を繰り返してきていることへの反発から始まり、何とかこの討議で日本PTAという大組織や文部科学省という組織までも巻き込んで、新しいシステム作りの提言が出来ればと思って本番に臨みました。

ここでは私が伝えたかったことの概要を報告します。

最後に会場全体にプロジェクターを使って表示したメッセージは、「大人が変われば子どもが変わる!PTAが変われば教育が変わる!教育が変われば日本が変わる!日本の明るい未来のために!今から変わろう、熱い大人に!」なんです。

私は今、日本は少しずつ悪い方向に向かっているという実感を持っています。わが子たちが大人になる時、今の我々より幸福感を持てる日本にしなければならない、そう思うのは親として当たり前の気持ち。その為に我々大人は、もっともっと真剣に熱くなって、意見をぶつけ行動を起こさなくてはならないのです。

核家族化より更に深刻に各個人化が進む昨今、こうした議論を通じて「熱い大人」が増えることと同時に、国家を上げて子どもの教育・親の教育・大人の教育を推進することが重要だと思うのです。

パネリストと会場からの意見も白熱し時間内に収まらず、最後に私が自分なりに考えた具体的提言の幾つかを早口で述べました。それは、

PTA活動は、親の意識レベルを下げないために絶対的に必要

②文科省は家庭教育の具体的施策を立てるべき。
 →「親業」の必修履行。PTAの義務化。
 →地域支援本部事業として各校にコーディネーター配置人件費を予算化。
 →月1回土曜授業開催。(保護者が集まりやすいため活動に幅が出る)

③文科省は教員の雑務を軽減させる具体的施策を立てるべき。
 →教員の増員と教育強化。
 →教員の復権!

(赤字は引用者)

***

書いていらっしゃるのは、バリバリの実力者・ビジネスマンで
テレビ製作会社の社長、齋藤匠氏でいらっしゃいます。

つまり、熱い情熱の持ち主。体力もおありのはず。

http://www.acro-net.tv/takumi/takumi_pta.html

での文中で何度も仰っている「元気があればなんでもできる!」
「元気10%」多く出していこう!

というお考え、大変素晴らしいのだけれど、
万人には通用しないと思うのです。

弱者や病人、介護の方、赤ちゃんのいる方だって
PTA構成員にはいるわけです。

半病人のわたしなど、午前中PTAに出たら、午後は
ぐったりしています。

弱者への慮りを、PTA関係者にはぜひ持って頂きたいものです。

***

上記ご提案の、①、②に付いてですが

子どもが元気でない姿が見られる、この難しい時代、
「親業」の必修履行は、従来では不可侵に近い
子育ちに密接に関わる家庭環境・親の振る舞いに関して
切り込む有力な行政側の手段としては、理解できるのですが。

児童虐待など、悩ましい問題への解決策の一つとしてはわかります。

ですが、実際問題、ケアが必要な家庭の親御さんは
PTA主催「親業」教室には、なかなか出てこられないのではないかしら。
心も体や経済に余裕がなくて。

「保護者全員を網に掛ける」という発想にこそ、危険を感じます。

***

本題に戻ります。

PTA義務化を唱える前に、

まず、PTAを改善して、魅力あるものにしましょうよ。


PTAは、NPO法人になれるの?

2011年08月17日 | PTAについて考えてみる

あるシンポジウムで、元文科省官僚の寺脇研 氏が

「PTAはNPO」なんだから

と発言されていました。

ふっと、疑問に思い

「PTAはNPO法人になれるか」で
検索してみましたら
下記のサイトがヒットしました。

滋賀県のサイト
http://www.pref.shiga.jp/c/katsudo/kyodonet/faq/faq_1.html

結論。

PTAがしかるべき役所に、NPO法人の申請をし、
認証されれば、
NPO法人になれます。

そこまでする必要があるかどうかは別問題ですが。

 

でもね。

2011/8/7 に神戸新聞で報道された

神戸大付属住吉小・中学校 後援会前会長が8500万円流用

という事件があったのです。

任意団体である、PTA等は法人格を持たず、通帳は個人名となります。
通帳管理・監査等の体制をきちんとしないと
こんなことも起こるのですね。

くわばら、くわばら。