熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
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作品 文章 写真 販売品

川井さん所蔵・葵家紋蒔絵将棋盤

2019-11-06 19:54:50 | 文章

11月6日(水)、晴れ。

寒い朝でした。
川井さん所蔵の将棋盤。先ずは、その映像。4面の盤側には、3つの葵家紋。そのルーツに迫ってみた。


駒は水無瀬兼成卿85歳の筆跡、素材は象牙。水無瀬家の「将棋馬日記」には、慶長2年に作られた記述があり、駒尻に記された「八十五才」と完全に一致する。駒の受取人「道休」は、足利15代将軍義昭。ただし、道休はこの前年に死去している。


次は、比較のため、同じく葵家紋蒔絵で加飾された将棋盤。
これは、東京国立博物館所蔵の竹菱葵家紋蒔絵の将棋盤。

地模様が竹に菱型。ゆえに竹菱葵紋蒔絵調度と呼ばれる婚礼調度の内の将棋盤。竹菱葵紋蒔絵調度は、紀州徳川家10代治寶(はるとみ)公の娘・豊姫が11代家齊将軍の7男・齊順公を婿養子に迎えたときの婚礼調度とされる。駒は象牙製。

もう一つ、葵紋蒔絵の将棋盤。
これは、水戸の徳川博物館の所蔵品、松竹唐草葵紋蒔絵の婚礼調度の将棋盤。

木口面の葵紋が3つ。盤側面は葵紋5つ加飾してある。これは、水戸家8代・齊脩(なりのぶ)公の夫人峯姫(11代将軍家齊の娘)の婚礼道具とのこと。
この写真には、駒が映っていないが、もう一つの写真「日本の美術6 婚礼道具」(至文社)にはモノクロで象牙製らしい駒が映っている。
念のため、水戸博物館(研究員)に問い合わせたところ、駒はあるとのこと。しかし、素材は詳しくはわからないとの回答であった。

まだわからないこともあるし、書ききれないこともありますので、疑問点があれば、コメントでお問い合わせくだされば、知る範囲でお答えいたします。

 

コメント (2)
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駒の写真集

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