11月21日(木)、晴れ。
晴れてはいるものの、今日も寒い一日でした。
午前中は、「錦旗」の盛り上げ仕事。
その「錦旗」のオリジナルの駒ですが、後水尾天皇の真筆駒だとされる桑製の書き駒が江戸の大橋家に伝わり、それを「錦旗」の呼称で呼ばれるようになって、昭和のある時期に木村名人に譲渡されました。その後、駒は昭和の一時期、将棋博物館に委託されていたのですが、その後、将棋博物館の閉館で木村家に戻されています。
ところで、大橋家で後水尾天皇の筆跡とされていた「錦旗の駒」は、どうやら大橋家のでっち上げであり、本当は水無瀬兼成が書いた駒であり、このことは、はっきりさせておかねばと思っています。
水無瀬兼成が書いた駒は、400年経った現在でも10組近くが各所に残っているのですが、それらの駒と、大橋家に伝わった「後水尾天皇の筆跡とされていた」漆書きの駒文字を比べてみると、ほとんど同筆のよく似た文字であることが分かります。つまり、「後水尾天皇の筆跡とされていた大橋家に伝わっていた錦旗」は、水無瀬兼成の筆跡そのものだということが明らかに立証できるのです。
以上は、名人夫妻がお元気な昭和60年ころ、新しくオープンした将棋博物館へ、木村名人が所蔵する複数組の駒を委託するにあたって、「本当に後水尾天皇の筆跡かどうか、はっきりさせておきたい」という木村名人家(義徳九段)の要請で、茅ケ崎の名人宅へお伺いして拝見(鑑定)し、その結果を「将棋世界・博物館だより」で発表した内容です。
この折り、木村名人ご夫妻には、昼食に「ウナギ」をごちそうになりました。35年ほど前の思い出です。
今日の午後は、西川さん。西川さんとは、20年30年前からのお知り合い。お持ちの良尊作の何組かの駒も、久しぶり拝見させていただきました。
今回は、ふるさと納税返礼品のことで、ご来訪。ふるさと納税の駒の基本は「錦旗の彫り駒」ですが、種々ご希望をお聞きして作らせていただく、ということで、お越しいただきました。
出来上がりは、年内目標です。