知人K氏のチェロコンサートに出かけた。
彼は現在、大阪シンフォニカー交響楽団特別首席チェロ奏者。
今回はフルート、ピアノ、ヴァイオリンが加わって
コンサートに厚みと変化が生まれた。
ハイドン、ウェーバーの他、
モダン・タンゴの奇才ピアソラの曲を演奏したが
これがなかなか良かった!
1930年代のカフェの様子を表現した曲だが
挑戦的で且つ哀愁のこもったピアソラの魂が、
チェロとヴァイオリンのアンサンブルによって見事に表現されていた。
K氏の演奏を初めて聴いたのが5年前、
以来、格段の進歩である。
基本的に彼は陽気で繊細な感覚の持主。
加えて育ちの良さから醸し出される品性が
チェリストとしての魅力を深めているのだろう。
初めて聴いたとき10年先が楽しみだと、ぼくは期待したが
その頃には名実共にトップチェリストとして
ゆるぎない地位を築くに違いないと
今宵、あらためて確信した。
良い席を用意してくれていたので
妻もこの度は舟を漕ぐことなく最期まで聞き入っていたようだ。
ボサノバに酔ふて白蛾の乱舞かな