ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

お土産

2010-11-23 14:33:25 | 日記・エッセイ・コラム

出掛けてから帰ってくると、姫たちはお土産をねだる。

足元にすり寄ってきて、行儀よくお座りし
じっとこちらの目をみつめる。
純粋であどけない彼女たちの瞳にみつめられたら
 「ああ、疲れた 後にして」
とはとても可哀想で言えない。
なによりもそちらが優先される。
シロはなまり節 ロクサーヌは白子のりを待っている。

たまに忘れたりするとたいへん。
代わりにお惣菜の鶏の唐揚げなどをほぐしてやっても
だまされない。
 「ちがうでしょう」
と、切ない眼差しで哀願される。

たまたま白子のりを切らし
似たようなものを出してやってもだめ。
他のメーカーの海苔は鼻先で押し戻し食べてくれない。
 (まさかテレビのコマーシャルを見ているわけでもないだろうし)

ようやく思いが叶ったあとは、さっさと二階に上がって
自分だけの孤高の世界にひたる。

猫の味覚は犬の数十倍も優れている。
ペットフード会社の新入社員は
最初の仕事として
ドッグフードとキャットフードを味見させられるが
断然、キャットフードのほうが美味しいと言う。

確かに缶詰から皿に盛ったときの匂いは
醤油をかけて食べてみたいと思うほど美味しそうだ。

    寂々と薄日の中を綿虫舞う