この時季になると
日本中に俄かクリスチャンが現われて
小さな愛のプレゼントをかかえ家路を急いでいる。
街は聖樹に彩られ
郊外の一軒家にもイルミネーションが光る。
宗徒でなくともなんとなく敬虔な気持ちにさせられ
殊に聖歌やクリスマスソングの
ゆったりとした旋律と美しい言葉の響きには心癒される。
ずっと昔、近所の子供たちが集まってのクリスマスパーティー。
ミカンと駄菓子の粗末なものであったが
カルタやしり取りなどわいわいはしゃいだ後、
そのまま遊び疲れて炬燵に雑魚寝。
夜中にふと目が覚めると
二つ年上のK子ちゃんがぼくの手をしっかり握っている。
ぼくも解かずそのままに。
次の朝K子ちゃんが眩しく見えて
自分が急に大人になったような
なんともこそばゆく
・・・・・・12歳、イヴの夜のことであった。
みほとけの鼻こちょこちょと煤払い