ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

花の精

2011-10-12 15:19:56 | 日記・エッセイ・コラム

庭の金木犀がまだ咲いている。
屋敷内に清らかな芳香をただよわせて・・・・。

根元にはハチとクロが眠っている。
ハチは成犬になって捨てられた哀れな犬。
ぼくの眼を見ながらも視線はずっと遠くを見ていた。
( ほんとうの飼い主を探していたのだろう )
クロは生まれたばかりで捨てられた猫。
雨にぬれてドブネズミのようだった。
氏より育ち・・・・
かしこい猫に成長し
美術館の客を一号館から二号館へ案内してくれた。

そのハチとクロの魂が
毎年、馥郁と金木犀の花を咲かせてくれる。

ぼくはどんな花に化身するだろうか・・・・
許されるなら泰山木か朴の花になって
高きより清雅な香りを降り注いでいたい。

     名を呼びつつ白雲と行く花野道