今宵は十三夜。
すでに麗しく中天に輝いている。
あのような美しい星に
人類が降り立ったとは信じがたいこと。
ぼうじぼを打つこどもたちの声が
遠くから響いてくる。
10人ほどの集団。
外灯に頬を赤く染めて
♪ぼうじぼあたれ三角畑にソバあたれ・・・♪
わら筒で家々の軒先を打ち歩く。
いちばんうしろの暗がりでは
ひとしきり小さな子が
皆に遅れて打ち鳴らす。
やわらかに月が微笑んでいる。
壷に活けた芒の葉を姫たちが食べてしまう。
ネコクサに似ているのだろうか。
食べては代わる代わる毛玉を吐きだす。
犬連れて芒を採りに十三夜
*ぼうじぼ(穂打棒):栃木県北部に伝わる豊作祈願の子供行事