ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

枇杷の種

2012-10-29 23:01:04 | 日記・エッセイ・コラム

モジリアーニの描き忘れた瞳がふたつ
てのひらに。
黒い枇杷の種。
なにひとつ瑕疵のない完璧の種。
あっさりとは捨てがたい。

全裸で寝ころび
モンパルナスのアトリエから
灰色の眼が視つめていたものは・・・・・。
愛の儚さか 
それとも生の虚無か。
二日後、
自宅の窓から飛び降りて後を追った女。

酒と薬物に溺れながらも
純粋であろうとしたモジリアーニとその女。

大地にもどし毎日水をやったら
裸婦が芽生えてくるだろうか。

もうしばらくは
てのひらの中で楽しんでいよう。