ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

一所懸命

2011-10-08 12:44:56 | 日記・エッセイ・コラム

お隣から赤飯がとどけられる。
孫の運動会だという。

ぼくら小学生のときの運動会は
大平崎という小高い丘のてっぺんであった。
村を一望し
黄金色にかがやく稔田の中を
煙を吐きながら小さなポッポ汽車がはしる。

100m競争。
よーいドン!赤組白組6人がいっせいに駈けだす。
ぼくも全速力で駈ける、
手足がばらばらになるほど無我夢中、
周囲の声援など耳にとどかない、
ふみせんせいも懸命に旗を振っている、
そして息せき切ってゴールイン!

結果は、前の選手から大きく離されてビリ。
毎年同じパターン、5位に上がれない。

ゆるやかにイワシ雲がながれ
眼下の清流では銀鱗が跳ね
おだやかな風に人も村も包まれているが
ぼくの一所懸命は天に届かないのであった。

     草もみぢ名前を埋めし日の遥か


ヤッチャン

2011-10-07 16:21:01 | 日記・エッセイ・コラム

O市のデパートに贈答品を買いに
ぼくはデパート内のスタンドでコーヒータイム。

行き交う買い物客をぼんやり眺めていると
「ヤッチャン!」と若い女の声がする。
きょろきょろ辺りを見回すが知り合いはどこにもいない。
コーヒーカップを傾けると再び
「ヤッチャン!」と声がして、小さな男の子が走ってくる。

むかし、ツベルクリン注射が怖くて
学校から逃げかえり
校医さんと母親に追いかけられたことを想いだし
走ってくるヤッチャンに何やら親しみを覚える。

9日は客が来る予定。
電話があって、ぼくのパスタを食べたいと
N市から家族3人でやってくる。
30年もの付き合いだが会うのは1年に1度ほど。
海老とマッシュルームを買って準備。
トマトソースは既にたっぷり冷凍してある。

いちじくをザラメ糖とブランディーで煮る。
上等のデザートが出来上がる。

     見はるかす稲田ぐるっと曼珠沙華


料理は愛情

2011-10-05 18:50:48 | 日記・エッセイ・コラム

4日、ロータリークラブ例会後
寄り道して彼岸花に逢う。
野辺いちめんの花盛り。
折りしもその一群に夕日があたり
まさに西方浄土の美しい瞬間に出逢うことができた。

5日、頂いたイチジクが冷蔵庫に残っているので
昼は「イチジク入りポークカレー」を作る。
イチジクはレンジでチンすと甘味が増して食べ易くなる。
そのとき汁が出るが それもカレーに加える。

学芸員と庭掃除の農夫婦にもふるまう。
はじめての食感に
それぞれ作り方を訊いてくるが
「料理は愛情」・・・とだけ答えてあとは教えない。

きょうは一日中冷たい雨がふっている。
東北の被災地の人たちは
随分と心細い思いをしていることだろう。

     鈴虫や夢の涯まで鳴きにきて


2011-10-01 16:10:10 | 日記・エッセイ・コラム

二十世紀が送られてくる。
肌の色、手のひらに載せたときの重量感は
秋果のなかで最も魅力的な果物。
しばらくはそのたなごころを愉しむ。

やがて食すればしゃりしゃりと、
口中に広がる太陽の粒子。
控えめな甘さと香りは
その姿からも何故かしら木星を彷彿させる。
闘争的な火星と
華麗に飾り立てる土星の間で
どっしりと地味に存在する木星。

ところで木星といえば
ホルストの管弦楽組曲「惑星」の中にあって
平原綾香にも歌われ よく耳にするが
金星や土星や冥王星の曲は未だに聴く機会がない。
「火星、戦争をもたらす者」は聴いたような記憶があるが。
一度、全曲聴いてみたいと思う。

さて、始めに戻るが
二十世紀の名前の由縁とは
1888年現在の千葉県松戸市の
とあるゴミ捨て場に生えていたものを
当時13歳の松戸覚之助なる人物が発見し
1898年渡瀬寅次郎によって二十世紀と名付けられた。
    
 (ウィキペティアより参照)

 桃栗3年 柿8年 梨の大バカ18年
・・・・・・・大バカとは心外な!
      大器晩成なのである。

完全無農薬ニラを頂いたので今夜は韮しゃぶ。
タレは柚子ぽんと胡麻ダレの2種。
おわりには餅を入れる。
うまい!

         
無花果啜る吾も昆虫のごとくなり