顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

ヒヨドリの死

2016年01月17日 | 日記
庭の椿の木の下にヒヨドリが死んでいました。去年もこの近くに落ちているのを見つけた場所です。椿の蜜を吸いに来て最後の力でここまでたどり着いたのか、まだ暖かいくらいのきれいな姿を、近くに落ちている椿で囲んで写真を撮り、一緒に埋めてあげました。合掌。
びっくりするくらいの身体の軽さ、餓死だったのでしょうか。春は虫などを食べ、秋から冬は樹木の実や特に椿などの花の蜜などが大好物のようです。



このヒヨドリ、1970年頃までは秋に北から渡来し、春に渡り去る冬鳥でしたが、留鳥として一年中棲むようになり、里山や公園などある程度木のある環境に多く生息し、都市部でも見られるようになりました。ときに集団で畑に現れ農作物や果樹を食い荒らすこともあり、農家には嫌われ、ムクドリ、カモ、スズメなどと同じ狩猟鳥の指定にされてしまいました。因みにカラスは保護鳥というのは、納得できませんが…。
源平盛衰記の一ノ谷の戦いで、源義経が平家の軍勢を追い落とした深い山あいを「ひよどり越え」というのも、そこが春と秋ヒヨドリの渡りの場所になっていたことからだそうです。

椿落て昨日の雨をこぼしけり   蕪村
椿落つる我が死ぬ家の暗さかな   前田普羅
天命とは惨いものなり落ち椿   顎鬚仙人