顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

藤田東湖書「麗澤」

2016年10月06日 | 水戸の観光
安政2年(1855年)10月2日、いわゆる安政の江戸大地震で圧死した、藤田東湖の書「麗澤」は、当時親しかった儒学者芳野金陵宅での前日10月1日の酒宴の際に、互いに贈りあったという彼の最後の書と言われています。先日金陵のご子孫から、東湖ゆかりの弘道館に寄贈されました。

絹本で47✕90.5cm、麗澤とは「連なった二つの沼が互いにうるおし合うように友人がお互いに助け合いながら学ぶこと」という意味だそうです。左側に安政乙卯(きのとうし・安政2年の十干十二支)秋日、常陸藤田彪(たけき・東湖の諱)書とあります。
学問の友、憂国の同志であった二人の思いが、160年経た平成の世に舞い降りたような気がします。