紫陽花(アジサイ)が街のあちこちで目につきます。
ここ涸沼自然公園のアジサイは約1万本、広い公園の斜面一帯に咲くので立体的な景観が眺められるのが特徴です。
本アジサイ、いわゆる手まり型のアジサイは、表面を花毬のように飾る大きな花弁のようなものは萼で、その中心の花は装飾花…、本物の花(真花)は下の方に隠れてひっそり咲いて目立たないので、装飾花が受粉作業の虫たちを呼び寄せる役目をします。
本アジサイを下から見ると、装飾花の下に真花がびっしりと隠れているのが見えます。
日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花)、周りを額のように囲んでいるので命名されたので、名前のガクは萼ではなく額になります。
これも額の部分は、萼(紛らわしい!)を主体にした装飾花で、真ん中の小さい花の集まりが本物の花(真花)です。額部分の装飾花にもちゃんと小さな花弁と蕊が見えますが、この雌蕊は結実しません。
人気のスミダノハナビ(墨田の花火)、白い装飾花の真ん中に固まって青緑の真花が小さな花を開いています。
最近増えてきたカシワバ(柏葉)アジサイも周りの白い装飾花に囲まれて、地味な緑色の真花が見えます。
罪ありしは桃色時代七変化 香西照雄
老境や四葩を映す水の底 三橋鷹女
※七変化(しちへんげ)、四葩(よひら)はいずれもアジサイの別称