顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

やっと秋の気配…

2018年09月13日 | 季節の花
記録ずくめの猛暑でした。しかも豪雨や台風、大地震の自然災害も加わり、被害のあった方には申し訳なくて、暑かったなどとは贅沢かもしれません。
9月中旬、3カ月ぶりくらいで歩いてみると秋の気配がしっかりと感じられました。

今年も高速道の法面で見つけました!オミナエシ(女郎花)。秋の七草の一つですが、近頃は野山で見かけなくなりました。乱獲?、気候?…、何のせいでしょうか。

ハギ(萩)はマメ科の落葉低木、水戸の偕楽園では萩まつりが行われていますが、野山ではこのヤマハギが主役、万葉集でも一番多く詠まれた花なので、もちろん秋の七草です。

クズ(葛)の花も秋の七草、蔓延るという漢字そのままの性格で、あたり一面を蔓で覆ってしまう生命力で嫌われますが、根から取れるでんぷん質は葛粉や漢方の葛根になります。 

ゲンノショウコ(現の証拠)は、センブリとともに胃の薬草で知られています。名前は間違いなく効くよということでしょうか。筋の入った5枚の花弁に10個の雄しべは、自然の造形です。東日本に多いのが白紫色で、西日本では紅紫色だそうです。

キツネノマゴ(狐の孫)は目立たない雑草で、孫狐の尻尾に似ている命名とか…諸説があるようです。腰痛、風邪などに薬効があるとされています。

ブログのおかげで、小さい花でも気付くようになりました。ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)、初めての撮影です。小豆の原種のひとつといわれており、この豆でぜんざいを作ったブログ記事では、皮が少し硬いけれど充分に美味しかったと出ていました。 

ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は北米原産で薬用として渡来、今は侵入植物データブックに載っています。根がヤマゴボウに似ていますが、全草に毒を持っているそうです。

鮮やかなオレンジ色のマルバルコウソウ(丸葉縷紅草)も、観賞用のものが野生化し、国立環境研究所の侵入植物データブックにも載ってしまいました。

タマスダレ(玉簾)が休耕田に咲いています。黒い種は風で飛ぶほど小さくないのでどうしてここまで来たのでしょうか。

畦道に出たニラ(韮)の花もよく見れば花弁、雄しべ、雌しべが整然と並んでいます。最近は花が開く前の花ニラが店に出ていますが、甘く柔らかく美味です。

あまりにも毒々しい綺麗さ、調べてみるとテングタケ科のタマゴタケ、食用になりしかも美味しいとか、とても手が出ません。土から顔を出すとき、卵のように見えるのが名の由来だそうです。

さて、花粉症の方はご用心、猛暑の翌年は花粉飛散量が増大するそうです。敵はもうすでにびっしり蕾を付け、春の攻撃の準備完了のようです。