顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

猛暑の後の秋…外来種が多くなりました。

2018年09月21日 | 季節の花

秋彼岸に入りました、時期を見計らったように彼岸花(曼珠沙華)が咲き出しました。鮮やかな色で死者のイメージでしたが、最近ではいろんな色の園芸品種も出てきました。

シバクリ(柴栗)が落ちています。野生のものはほとんど虫がついてしまいます。去年はカチグリを作ってみましたが、歯が立たずまだそのまま棚に残っています。

塀の上から柿が鈴なりです。毎年この家では道路沿いの椅子の上に、「ご自由にどうぞ」という札を付けて柿を並べています。

米どころのこの辺りでは稲刈りがほとんど済んでいます。最近多くなったのが飼料用の稲を結実前に刈り取って白い円筒状に包んで発酵させ牛の餌にするものです。

ハキダメギク(掃溜菊)、牧野富太郎が世田谷の掃き溜めで発見したのでこの哀れな名前になりました。約5ミリの花は、黄色い筒状花の周りを白い3片の舌状花がきちんと5個並び、掃き溜めの貴公子のようです。一年中咲いている北米原産の帰化植物です。

マメアサガオ(豆朝顔)も、北米原産の一年草帰化植物。最近は薄いピンクのものも見かけるようになりましたが、ハマヒルガオなどとの交雑でしょうか。

蔓性の花を調べてみるとアレチウリ(荒地瓜)。輸入大豆に種子が混入,豆腐屋を中心に拡大したといわれます。1952年に静岡県で確認され、またたくまに青森以南の全国に蔓延った、日本の侵略的外来種ワースト100の特定外来生物だそうです。

オオニシキソウ(大錦草)も北米原産、肉眼では見えにくい花序周辺の形が大変面白く、白い花弁に見えるものは蜜を分泌する腺体の付属体だそうです。しかし歓迎されない雑草として、駆除方法が載っています。

ツルボ(蔓穂)は日本全国で見られる在来種で、国外では朝鮮半島、中国本土と台湾などに分布します、と何故かホッとする生態系です。春に出た葉は夏に枯れ秋にまた出た葉の間から花穂が出るユリ科の多年草です。

チョウジタデ(丁子蓼)は花弁5枚、同じ仲間で花弁4枚のヒレタゴボウ(鰭田牛蒡・別名アメリカミズキンパイ)とともに水田の難防除雑草として稲作農家の大敵です。

マメ科のクサネム(草合歓)はネムノキに似た優しい葉ですが、同じく水田の雑草では難敵のようで、特に結実した種は米粒と同じ大きさで混入してしまうとコメの等級を落としてしまうそうです。

またも大きなキノコ、傘の縦線がきれいなので目に付きました。調べてみるとタマゴテングタケモドキ、胃腸系の中毒症状を引き起こす毒キノコでした。

ここを墓場とし曼珠沙華燃ゆる  種田山頭火
曼珠沙華地下に血脈あるごとし  福田蓼汀