
偕楽園公園は、都市公園では300haという世界第二位の広さを持ち、偕楽園を中心に水の都水戸にふさわしく沢渡川、桜川、逆川の流域と千波湖周辺に豊富な自然を残しています。

千波湖畔の桜並木に紅葉した枝を見かけます。枝に虫でも入ったのか何かの原因で樹との流れが絶たれた葉が、赤い色素アントシアニンで化粧されてしまいました。

ギンナン(銀杏)がびっしり生った茨城県歴史館の銀杏並木、秋の黄葉の撮影ポイントですが実を拾う人は少なくなくなりました。

同じく歴史館の蓮池です。当初は大賀ハスとして植えられましたが、在来種との交配が進み純血を保てなくなったといわれています。

蓮池の隣にヤマユリ(山百合)の植えてある林があり、強い香りが辺り一面に漂い梅雨湿りを忘れさせてくれます。

傍らには名前からして悪党のワルナスビ(悪茄子)がどんどん侵略してきました。牧野富太郎博士の命名、北アメリカ原産の帰化種で、強烈な繁殖力で要注意外来生物に指定されていましたが、2015年生態系被害防止外来種に改訂された際に何故かリストから外れてしまいました。葉の裏や茎に鋭いトゲが見えます。

同じ草むらにマルバルコウソウ(丸葉縷紅草)、熱帯アメリカ原産で非耐寒性のヒルガオ科の園芸種だったのが日本の環境に順応してしまい、鮮やかな色を道端で見かけるようになりました。

長梅雨でキノコが林間にたくさん出ています。テングタケ(天狗茸)の一種でしょうか、成長過程を並べてみました。

千波湖畔のハクチョウソウ(白蝶草)、路傍で野生化しているのも見かけます。北米原産、園芸種ではガウラともいわれています。

因みに鳥のハクチョウ(白鳥)で有名な千波湖ですが、一昨年の鳥インフルエンザ感染以来、水戸市では千波湖のコブハクチョウなどの数を減らすために繁殖抑制策をとっています。
いつも首が凝っている仙人には羨ましい柔らかい首のコクチョウ(黒鳥)は山口県の宇部市から贈られたものが増え、すっかり慣れていて近付いてきます。
蓮の香や水をはなるる茎二寸 与謝蕪村
ほのぼのと舟押し出すや蓮の中 夏目漱石
偽りのなき香を放ち山の百合 飯田龍太
山に百合そうして農夫嫁が来て 細谷源二
ほのぼのと舟押し出すや蓮の中 夏目漱石
偽りのなき香を放ち山の百合 飯田龍太
山に百合そうして農夫嫁が来て 細谷源二