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区別がよくわからなかったアヤメ科の主な4種を比べてみましたが、一般的には目くじら立てて区別せずに、ひっくるめて「アヤメ」でいいんじゃないかとも思いました。
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アヤメ(菖蒲、文目、綾目)の漢字は「菖蒲」とも書くのでまずここで混乱してしまいます。最初は菖蒲という名で括られていたのが、咲いた花に(葉の説も)文目(あやめ)模様があることから、アヤメというようになっても漢字名はそのままにしてしまったようです。他の3種に比べて生育環境が違い、草原のような乾燥した土地を好みます。
花弁の真ん中の網目のような模様が特徴で、背丈は姉妹の中で一番低く30~50㎝くらいです。
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品種改良が進みいろんな色の花があるのがハナショウブ(花菖蒲)で、花弁の真ん中に黄色い斑紋があります。
現在、あやめまつりとして水辺や畑地などに植えられているのは、ほとんどがこのハナショウブですが、名前はアヤメと呼称する習慣が現在では一般的になっています。
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カキツバタ(杜若・燕子花)は水辺を好み、花弁の真ん中に白色のスジがありますが、有名な尾形光琳の「燕子花図屏風」にはこの白いスジはあまりはっきりと描かれていません。
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キショウブ(黄菖蒲)も水辺を好み、花弁の真ん中に赤茶色の模様が入っています。
なお菖蒲湯に使うショウブ(菖蒲)は全くの別種でショウブ科(サトイモ科とも)、花も黄色いガマの穂のような形をしています。幼いころ香りのいい葉と穂で遊んだ記憶が残っています。
俳句では夏の季語、アヤメとショウブを同じ名で詠む句も多く、分けるためにアヤメは花あやめ、ショウブはあやめ草として詠んでいる句もあります。名句ならば、どちらでもいいのかもしれませんが…。
旅かなし紫あやめ野に咲けば 富安風声
ほり上てあやめ葺けり草の庵 炭太祇
むらさきも濃し白も濃し花菖蒲 京極杜藻
湿原に水の道つく燕子花 上田五千石
あやめ草足に結ばん草鞋の緒 芭蕉
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